喜びが与える生きる力 – どんどん元気になった裸足お遍路9日目

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こんばんは、イカ太郎です。

 

今日はなかなかハードな1日でした。

次なるお寺、24番・最御崎寺まで77kmの道のりに入ったのです。

 

今日はそのうちの34km進みました。

このお遍路に来てからの最長移動距離です。

最後は日が暮れちゃうし、周りは真っ暗だし、雨は振っちゃうしで大変。

7時半頃、なんとか今日の野宿予定地にたどり着きました。

 

今いる場所はこちら。

 

ここで野宿します。

 

いいロケーションでしょ?

波の音が聞こえるんですよ。

ザバーン、ザバーンって。

ヒーリング用の録音の音じゃないですからね、リアルな音ですからね。

癒されまくりです。

こんな音を聴きながら寝たら元気百倍!

 

しかも今日もお風呂に入れちゃったんです。

道の駅に併設されていて、しかも夜11時まで営業。

すごくない?

お風呂入って、そのあと床で裸で寝っ転がっていたら本格的に寝ちゃってて、起きたらビックリ!

 

実はお風呂入るまではちょっと元気なかったんですよ。

今日本に台風が近づいていて、かなり長くて激しい雨になりそうなんです。

しかも僕が向かっているのは室戸岬。

台風の時にとんでもない風が吹くと言われているところです。

なので、最悪宿を取らなきゃなぁと思っていたんですが、台風がどのタイミングで来るのか分からないし、そのタイミングで僕はどこにいるかも分からない。

 

もうこれは悩んでも仕方ないぞ?

 

と思ったら、開き直って風呂場で眠ってました

 

起きたらスッキリ!

 

考えてもしょうがない。なるようになるさ!

 

というわけで、今日も張り切って1日のレポートをお送りしたいと思います。

はじまりはじまり〜♪

 

 

とにかく眠かった午前中

起床

 

またよく眠れませんでした。

いちおう4時間は経過しているんですが、途中からは蚊を意識しているから眠りが浅い。

顔と手首を集中的にやられてました。

そこで思いました。

もしかして、刺される場所が上半身だから気になるんじゃないか!?

で、寝袋の足の部分を開放して、足をむき出しにして寝てみた。

蚊よ!刺すなら刺せ!そのかわり足を刺せ!

 

(5分後)

 

寒くて眠れない!

 

今度は頭から寝袋をかぶって、足のあるべき場所を頭にしてみた。

窮屈!息苦しい!

 

その結果、、、

 

ブログを書く

もうすっかり毎日書けるようになったブログ、一時はもう2度と書けないんじゃないかと思っていたのがウソみたい。

ファミマのイートインコーナーでバッテリーの充電もさせてもらいながらガンガン書きました。

そしたら、

 

ブログ書くの時間かかりますねー。

昨日くらいから、ブログを書く手順が決まってきました。

・寝る前に冒頭のおしゃべり部分を書く
・就寝
・起きる
・残りを書く

 

本当なら一気に書けばいいんだけど、そうしない理由は、、

 

眠くて頭が働かないんですよ。

そうすると時間がかかる割に進まない。

お遍路を進める時間も減っちゃう。

そうするとお遍路も進まない。

いいことない。

集中できるときに集中してやる。

寝ちゃったほうが賢明。

試験勉強と同じですね。

ちなみに今も朝です。

セブンイレブン脇のスペースで書いてます。

 

出発

 

「先が見えないから不安」

ってよく言うじゃないですか。

でも僕はこう思うんですよ。

「先を見るから不安になる」

 

先を見ても見えないんですよ。

だって時間が経たないかぎり、結果は分からないんだから。

不安に思っても時間とメンタルを浪費するだけ。

頭脳は基本的にネガティブで、心(=内臓)というのは基本的にポジティブだと僕は思っています。

だから先のことは考えない。

考えることは脳がやること、ひらめきは内臓がやること。

考えるとネガティブな頭脳に内臓を操作されちゃう。

だから頭の中は空っぽにしておいたほうがいいっていうんだと思います。

 

さて、旅を進めましょう。

 

77km? 90km?

23番・薬王寺を出発してから、出てくる看板によって24番・最御崎寺までの残り距離が全然違うのでとまどいました。

どっちなんだろう?

先に進むうちに分かってきました。

77kmというのはひたすら国道を南下した場合の距離。トンネルを利用した場合

90kmというのは昔からあるへんろ道を通った場合の距離。トンネルを使わず海沿いを歩く場合

きっとそう。

分かればスッキリだけど、分かる前は混乱。

13km、歩いたら5時間のズレはデカい。

説明があったら嬉しかったな。

 

疲労困憊

出発したものの、寝不足が続いているのでカラダが重くてしかたない。

出発後すぐに見つけた休憩所に入ってしまう。

 

国道沿いだから車の音がうるさい。

 

眠気は少し収まった。

歩行再開!

 

でもすぐにまた眠くなりました。

でも進まないわけにいかない!進まなきゃ!

というわけで引き続き半分眠りながら進みます。

 

すると今度は、

 

さっきの休憩からまだ30分も経ってない。

でも休みたくてしかたない。

眠くてフラフラしてるし、ちゃんと休んだほうがいいと自分を納得させる。

30分ほど仮眠。

 

すこし体がラクになったものの、またすぐに眠くなる。

同じことの繰り返し。

でももうさすがに休んでる場合じゃない。進まないと…。

 

わずか8kmの地点で疲れがピークになってきた。

しかし休憩所が全然ない…。

そんなタイミングでポニー出現!テンション上がる!

 

ちょっと元気出た。

さらに、

 

小さな喜びがあれば、疲れをごまかしながら進める。

ごまかしでしかないんだけど。

 

かなりヘロヘロです。

 

国道からいったん離れる。

めっちゃ嬉しい!

車のビュンビュン通るところを通るのは本当に疲れる。

 

脇道は本当に美しい集落だった。

この写真は地面に寝そべって撮ったんだけど、立ち上がろうとしたらクラっときた。

休憩所がないとマジでヤバい。

 

脇道はすぐに抜けてまた国道へ。

また国道かー、マジかー、と思っていたら、休憩所とお店を発見!

(小松大師の表示の左上にちっちゃく写ってます)

たすかった〜!!

 

お店に入ってみるとすごく感じのいいおばちゃんが出迎えてくれた。

おばちゃん:「たいへんだったでしょー」

イカ:「そうなんですよー。かれこれ7キロ近く休憩所がなかったんです〜!」

と泣き言を言わせてもらい、ある暴挙に出る。

 

なんとアンドーナツを買ってしまった。

不食または一日一食のルール破り。

我慢できませんでした。

 

隣の休憩所で食べる。

 

足も疲れた。ワラーチを脱ぐ。

 

ドーナツ、マジでうまかった。

ツイートはしてないけど、実はもう一つ同じドーナツを再購入して貪り食った。

止められなかった。

でも、気持ちが安らいだ。

食べることの意味が少し分かった気がした。

ルールを破ったことは後ろめたかったけど、

アンドーナツは枯渇した心のエネルギーになった。

心が枯渇したなら食べることは必要な行為なのかもしれない。

 

人との対話

76才のおじいちゃん

アンドーナツに癒され、放心しているとおじいちゃんがやってきた。

おもむろに会話が始まった。

腰は曲がってるし、歩くのがやっとの状態のおじいちゃんだったけど、遠くを見つめる目が澄んでいた。

地元の人にとってのお遍路、かつてのお遍路の話を聞いた。

そんな歴史があったんだ。

 

その後歩きながら道中で亡くなった方の小さめのお墓とはどんなものなのか探した。

おじいちゃんが手で形を表現してくれた形状から察するに、どうやら今は無縁墓と呼ばれている高さ70センチくらいのお墓がそうなのかもと思った。

 

人から手振り身振りを加えてもらいながら説明してもらうとリアルにイメージできる。

人との対話はそういう点で本から得る情報よりもリアルで濃い。

 

「じゃがんばってな」

そう言って去っていくおじいちゃんの曲がった背中に爽やかな風が吹いていた。

 

90歳のおじいちゃん

休憩所を離れ、歩き始めると、先ほどまでの体の重さがウソのようになくなっていた。

体が軽い!

朝ひとりで休憩所で瞑想をしたけど、同じ30分でもこれほど軽くはならなかった。

おじいちゃんとの会話でエネルギーをもらったように思えた。

 

しばらく快調に歩みを進めると休憩所があった。

 

でも名前がいつもと違う。休憩所ではなく、接待所

中に入ってみるとおじいちゃんとおばあちゃんが笑顔で出迎えてくれた。

冷たいお茶と缶のブラックコーヒー、そして固揚げポテトチップスを出してくれた。

ポテチがうまくて貪るように食べた。

食欲を理性でコントロールできなくなっている。

こころのエネルギーが枯渇しているのだから仕方がない。

 

ここでは90歳のおじいちゃんとたくさん話した。

地元の弘法大師(空海)信仰のこと、死後の世界の考え方、昔の年寄りの老後と今の年寄りの老後の違い、そして2年前に突然始まったおじいちゃんの病気のこと。

正直そのおじいちゃんからこんなに面白い話が聞けるとは思ってなかった。

90歳とは思えぬ頭脳のキレ。記憶力。

人は見た目では判断できない。

 

この時聞いた話のいくつかをツイートしておいたのでご紹介すると、

 

 

おじいちゃんの話は理路整然としていた。

もっと聞いていてもよかった。繰り返される病気トークを永遠に聞いていてもよかった。

話を聞くことでおじいちゃんも僕も癒されたから。

でも先に進まないと安心して野宿できる場所にたどり着けない。

そう思ったので、ちょっと変なタイミングで話を区切って接待所とおじいちゃんに別れを告げた。

 

宿に宿泊するよりは野宿お遍路の方が自由度が高い。

しかし野宿だけの選択肢より、「野宿でも宿でもどちらでもいい」ならもっと自由度は高くなる。

やりたいことを時間にしばられず好きなだけできる。

基本的に野宿としてきたこの旅のスタイルを見直すべきタイミングなのかもしれない。

 

 

復活

接待所を後にして歩き始めたら、さらに体が軽くなっていた。

 

ただ休憩しただけとは思えない元気さが体に戻ってきていた。

どんどん進む。

途中道に迷って、地元の人に道を聞いた。

素晴らしい笑顔。屈託がないというかストレスを感じて生きてないというか。

こっちまで幸せになる受け答え。

 

そしてこう思った。

 

いろんな人から豊かなパワーをいただいて、ドンドン進んだが、さすがに途中で体が疲れてきた。もともとは疲労の蓄積した体だから当たり前。

でもしかし、疲れを超越する何かが自分の中から出てきていた。

 

きっと人と話す喜びがエネルギーに変換されたのだと思う。

アンドーナツも固揚げポテトもまだ栄養を吸収できているわけがないから、それを食べたことによる喜びがエネルギーになったのだろう。

喜びが生きる力を与えてくれるのだ。

行動する力を与えてくれるのだ。

地元の方々ありがとう!

アンドーナツ、ポテチ、ありがとう!

そんな風に思ったあと、ふと思い出した。

エネルギーをくれているのはそれだけじゃないと。

 

そうだった。

僕はこの旅を自分だけの力でやってるんじゃなかった。

見守ってくれてる人たちと一緒に旅しているんだった。

だからここまでボロボロになりながらも進んで来れたんだ。

困難に直面するとすぐ弱気になるクセのある僕。

ぐらついても立ち直って来れたのはツイッターの力が大きい。

旅に必要な情報をリアルタイムにくれるだけでなく、いいねが励ましになるし、コメントからも元気をもらってる。

なにかをやるとき、ひとりでやりきるのって崇高だけど、みんなで協力してやったほうが面白い。

ひとりでやることの限界をいとも簡単に乗り越えることができる。

自分がすべての能力を持っていなくても、ほかの人が持っていれば、自分が持っているのと同じ。

僕はこれからもツイッターのみんなと旅をしていくつもりだ。

 

葛藤

日没までに野営予定の道の駅まで行けたらと思っていたが、無理だった。

 

疲れた体に雨がこたえたが、なんとか目的地にたどり着けた。

 

お風呂に入れる!

でも前日お風呂に入った時ような至福な気持ちにはなれなかった。

近づいてきている大型の台風18号の存在が気になっていたのだ。

野宿にすべきか、宿に泊まるべきか。

・基本的に野宿

このルールを設定したために少し意固地になっていたのかもしれない。

雨の中苦しみながら山を登った時のことも頭によぎった。

 

湯船に浸かっても「どうしよう、どうしよう?」と頭の中でなんの進展もない思いがぐるぐるしていた。

で、思った。

答えの出ないことを考えても意味がない!

開き直って湯船を出て、風呂場に寝っ転がって全裸のまま眠った。

 

台風がどのタイミングで来て、その時僕がどこにいるのかなんて現時点では分からないのだ。

まずは明日いつも通り過ごしてみよう。

そうすればおのずとやるべきことが見えてくる。

考えるのはその時でいい。

情報が集まってから考えればいい。

動けば情報は増える。

情報が増えれば答えは出しやすい。

そう思った。

 

お風呂を出て、ロビーでこの日記を書き始めた。

そしたらこんなコメントをツイッターでもらった。

(ツイートがなくなってしまいましたが、「今まで苦難を乗り越えてきたあなたなら乗り越えられる」と書いてありました)

 

めちゃくちゃ元気をいただいた。

そう、今まで失敗しまくりながらもいろんなことを乗り越えてきた。

柔軟に今を生きれば、形はどうあれ人は必ず乗り越えられる。

先を見る必要はない。

目の前のこと、今できることを一生懸命やろう。

 

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