アホの呪文 – なんだかいろいろあった裸足お遍路16日目

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おはようございます、イカ太郎です。

今朝はこんな場所にいます。

 

ずいぶん歩いてきたものですね。

赤いマークがお遍路で立ち寄るお寺。

スタートは右上の徳島市。

各お寺の間の距離を合計してみたところ、250kmくらい歩いたみたい。

10年ほど前に沖縄本島を一周歩いた時の距離が約300kmだったから、それに近い距離をすでに歩いたことになりますね。

お遍路は合計1400kmって言われています。

ということは現時点で18%。

まだ18%!?

お遍路のスケール感すごすぎる!

 

今朝も蚊に食われて目が覚めました。

お遍路休憩所の大きなフロアで寝たんですが、床では十分にアースできないみたいですね。

足を露出して床に付けて寝たんだけどな。

 

昨日安芸市のホームセンターで野宿用グラウンディングキット制作に使えそうなものを物色してきました。

 

生活用品が中心の小さなホームセンターだったので品揃えはよくなかったのですが、なんとなく完成のイメージはつきました。

もっと品揃えのいいところへ行けば安価でいいものができそうです。

 

(グラウンディングをまだご存じないかたはこちらの動画をご覧ください。生活が激変するかもしれませんよ)

 

もしもこの野宿用グラウンディングキットの作り方が広まれば、

夏のキャンプをテントなしで楽しめるようになるかもしれないし、

野宿お遍路をやっているほかの人たちや、路上生活者の人たちも快適な夏を送れるようになるかもしれませんね!

 

さてさて、それでははじめましょうかね。

イカ太郎の裸足お遍路物語16日目、はじまりはじまり〜♪

 

 

野宿史上最高の朝

 

最高の目覚めだった。

外を見るとすでに明るかった。

こんなことは野宿ではじめて。

新鮮な気持ちで1日がはじまった。

 

昨日は安芸市街への到着が遅れた。

そのため「安芸市街に着いたら行きたい」と思っていた作業用品専門店に寄れなかった。

開店は10時。あと4時間。

それほど長くない。

いつもなら2時とか3時に目が覚めちゃうから待つのは大変だけど、4時間なら苦にならない。

しかも昨日お風呂屋で洗った濡れたTシャツもある。濡れてると重たいから乾かしたい。

今日は安芸市街でゆっくり過ごそう。

そう決めた。

 

お店の開店まで公園で過ごす

ベビーカー最強説

 

ホームレスのおっちゃんと話した。

足が悪いらしい。

ベビーカーの素晴らしさについて語ってくれた。

重いものを載せても楽々進むのが素晴らしいそうだ。

きっと色々なものを試してきたのだろう。

アメリカだったらスーパーのカートを盗んで生活用品一式を入れて移動生活できるけど、日本では見たことがない。

スーパーのカートが最強だと思うけど、もしかしたら日本においてはベビーカーが最強なのかもしれない。

 

スローな時間

4時間の公園ライフがはじまった。

まずはセッティング。

 

バッチリだ。

アウトドアの達人になった気分。

 

 

見よ!日本の夜明けぜよ!

坂本龍馬もきっとこのあたりでそう言ったに違いない。

 

おっちゃん、人と話したの久しぶりなんだろうな。

すごく嬉しそうだった。

お遍路とホームレスの相性はいい。

 

充実した時間だった。

台風から避難して室戸の宿に泊まっていた3日間とはまた違う時間が流れる。

あの時は3日間進まずに同じ場所にとどまっていたが、ずっと室内だった。

今回は違う。

アウトドアだ。

お遍路を進めるということをせず、とどまる。

学校をサボっている時の軽い罪悪感の裏にある開放的な気持ち。

それがお遍路をしている時とは違う思考に僕をいざなった。

 

毎日コンビニの弁当と菓子パンだった。

うんざりしていたのだが、夕食は楽しみだった。

裸足で長距離を歩くこと、野宿することは楽しいのだが、それなりにストレスがかかる。

そのストレスを解消してくれるのが、夜に食べる食事だったと言える。

基本的に一日一食だったから(何日かは2食食べたけど)、けっこうな量を食べていた。

ボリューム系弁当に菓子パン2つ。デザートにアイス。

そんな感じだった。

でもそんな食生活は昨日までで終わりにしよう。

うんざりしながら食べる必要はない。

コンビニであってももっと別の食事にできる。

野菜が食べたい。

糖質で食欲を振り回されたくない。

 

結果この日の夕食はこうなった。

完璧だ。

とは思わないが、今までよりも全然いい!

かかる費用も同じ。

こんな感じでこれからもいこうと心に誓った。

 

…が、この後ブログを書いている間にチョコモナカジャンボを2つも買って食べた。

 

糖質中毒おそるべし!

うまかったけどね。

 

数日ぶりにツイッターのタイムラインを追う

ブログの冒頭部分ができあがり、ひと段落したのでツイッターのタイムラインを見た。

自分でもびっくりしたのだが、ここ数日タイムラインをまったく見ていなかった。

空いた時間はブログを書くことで精いっぱい。

歩く、ブログ、歩く、ブログ、夕食、ブログ、野宿

そんな状態。

久しぶりに見るツイッターのタイムラインはいろんなインスピレーションを与えてくれた。

メンションしたりリツイートしたりしているうちにアイデアが湧いてくる。

そんなアイデアがこの旅をバージョンアップしてくれそうだった。

今この旅のテーマは裸足だけでなく、グラウンディング(アーシング)が大きな位置を占めてきた。

フォローしている人たちが多くの有益な情報を与えてくれる。

限られた時間で知らなかったことを知ることができる。

これからはちゃんと時間をとってタイムラインも追っていこうと思った。

ブログとツイッターはバイクの両輪なのだ。

片方だとウィリーしなければならない。

 

開店の時間だ!

 

このソーラーパネル、この旅のために買ったのだが、本当に役に立っている。

野宿の旅でなければ宿で充電させてもらえば済む話だが、野宿ではそうはいかない。

電気も自給自足の必要がある。

写真に写っているソーラーシステムを買うときには「歩きながら充電できる!」と思っていたのだが、実際に歩きながら使ってみると、コードが緩んだりして安定しなかった。

なので今は昼間にブログを書くときに充電するようにしている。

ずっと曇りだったが、30%だった残量は3時間で70%になっていた。

思っていたより早い。

晴れ間が見えてきた。

そこからみるみるiPhoneのバッテリー残量が増えていく。

太陽の恵み、ありがたし!

 

太陽は別の恵みも与えてくれた。

 

僕がお遍路用に自作したTシャツ。

LIVE BAREFOOT

裸足で生きろ

そんな思いを込めて作った。

最初は恥ずかしかったがもう慣れた。

慣れれば愛着さえ出てくる。

背中にはこんなイラストが入っている。

可愛さと力強さ、そして下品さが同居した僕のようなネコ。

カッコいいはかっこ悪い。

かっこ悪いはカッコいい。

そう思う。

 

作業用品専門店ワークウェイへ

持ってきたゴアテックスの雨具が20年前に買ったレインジャケットだった。

しかしもう内部のシーリングテープは全て剥がれ、雨が降ればやりたい放題に中に水が入ってくる状態だった。

 

徳島では鶴林寺・太龍寺の山登りで一日中雨が振り続け大変な思いをした。

結局この雨具ではダメだと思って高知県に入ってからコンビニで500円のカッパを買ったが、限られたザックの中で余計なスペースを取っていた。

もう買い換えるしかないと思った。

しかしゴアテックスの雨具は高い。

1週間前、雨具を買い換えたいとツイートしたらアドバイスをもらった。

 

 

たしかにワークウェイは安かった。

通常アウトドアショップでゴアの雨具を上下で買ったら4万円くらいするが、ワークウェイでは2万5000円が相場だった。

それでも高い。

お店のおばちゃんに他にゴアの雨具はないか聞いてみた。

するとワゴンセールで15000円の上下セットがあるではないか!

ラッキー!

しかもちょうどいいサイズがあった。

ありがたい!

迷いなく購入した。

 

これで安心して旅を続けることができる。

 

ホームセンターへ

お次はホームセンターだ。

ワークウェイからは1kmほど。近い!

歩くことの時間感覚はもともとかなり一般的な日本人からはかけ離れていたと思うが、この旅でさらにおかしくなった。

1kmをすたすた歩く。

ホームセンターに到着して中に入った。

期待していたDIYゴリゴリのホームセンターではなかった。

生活用品ゴリゴリ。

「また別のお店に行けばいいか」と思って何も見ずに帰ろうと思ったのだけど、「とりあえずこのお店の品揃えでも野宿用グラウンディングキットは作れないだろうか?」と思い直し、見て回ることにした。

予想通り何もないが、これを見たときDIYスイッチが入った。

 

「足首に巻いても不快じゃないもの、不快じゃないもの、、」

店内をうろつきまくった。

限られた条件の中でなにかをやるのが好きだ。

無限の選択肢があると逆に面白みがない。

今あるものでなんとかする。

そこにはゲームに似た感覚がある。

この猛烈に少ない品揃えで作れるものを見つけてみせる!

が、結局見つからなかった。

 

雑なアイデアを胸に店をあとにした。

 

歩くことに集中できる一本道

行きたかった店には両方いったので、ブログの残りを書くことにした。

ホームレスのおっちゃんと過ごした先ほどの公園に戻った。

ホームに戻ってきた感覚がある。

ただいま〜。

1時間半ほど集中して書いた。

疲れた。

疲れたら移動にかぎる。

疲れた状態で頑張ってもしょうがない。

 

長逗留した安芸市街にバイバイした。

バイバイ。

 

長〜いサイクリングロード

安芸市街を出発してすぐにこんな道がはじまった。

 

目指すは16km先のコンビニ。

夜ブログを書くのはコンビニの駐車場もしくはイートインスペースが一番いい。

本当ならファミレスがいいのだが、四国にはファミレスがあんまりない。本当にない。驚くほどない。

暗い場所でブログを書こうとしたこともあったのだけど、暗いと眠くなってしまう。

「1日の疲れがあっても書く」

そのためには明かりが必要なのだ。

日没まであと2時間半。残りの距離は11km。

ギリギリだ。

寄り道しすぎたらアウト。

日没後に歩くと眠気が増幅されるので、できれば日没前に到着したい。

 

アホの呪文

このサイクリングロードは車が通らないのはもちろん、人もほとんど通らなかった。

歩くことに集中できる。

以前はイヤホンをつけて瞑想音楽をかけながら歩いていたのだが、高知に入ってからは、イヤホンをつけなくなった。

かわりにBGMがわりになったのは頭の中で唱えるあの呪文である。

嬉しい・楽しい・大好き・愛してる・ツイてる・幸せ・ありがとう

「100万回言うと劇的に人生が変わる」と小林正観というおじさんが言っていたこの呪文を唱えまくっている。

(詳しくは裸足お遍路10日目のブログを見てね)

 

これがけっこういい。

唱えているうちに楽しくなってくるのだ。アホになる呪文。

長時間歩く退屈さ、苦しさを感じなくなる。アホになれるのだ。

 

本当に痒くならない!

とはいえ歩くことに夢中のアホでもちゃんと疲れてくる。

休憩する時は海でグラウンディングを!

と思っていたのだが、一向に海に近づく気配がない。

しかたがないので、綺麗な休憩施設があったので寄ることにした。

 

休憩の目的はもちろんグラウンディング。

土が露出したベンチがあったので、グラウンディング休憩開始。

 

蚊がプーンと寄ってくる。

でも今日の僕は安心して刺されていた。

こっちには昨日の朝発見した蚊の痒み無効化システムであるグラウンディングがあるのだ。

どんどん刺していいよー!

 

足首3カ所。

左腕1ヶ所を刺されたが最初にチクっとしてほんの短い間痒くなるだけ。

グラウンディングほんとすごいわ〜。

 

なんとか炎って名前のついてるやつには全て有効なのかなぁ?

だとしたらスゴい。

日本中の人がグラウンディングを知ったら、裸足で土の上をうろつく人が激増して、場所の取り合いが始まるに違いない。

そんな日が来たらいいなぁ。

いや、来る!きっと来る!

誰だって痛いのも痒いのも嫌だし、薬漬けになるのも嫌なはずだ。

 

ものすごく静かで美しい場所

キレイな休憩所でのグラウンディングを終えてすぐまた歩き始めた。

 

歩く歩く。

時間がないから本当は立ち止まってる場合じゃないんだけど、歩いてる場合じゃないものを発見。

 

人の拳ほどもある白いキノコが突然ピョコンと立っている。

こうして後になって写真で見てみると、足を止めてツイートするほどではなかったのではないかという気がする。

ま、いっか。

 

日没がさらに近づきあたりが暗くなった頃、松林に入った。

ここがとんでもなく気持ちよかった。

静か。

海が近いのに並みの音は聞こえず、道路だってそれほど遠くないはずなのに車の音が一切聞こえない。

どういう構造になっているのか不思議だったが、とにかく虫の音以外何も聞こえなくなった。

 

さすがはこれはツイートしておきたいと思った。

今見てもあの時の心地よさが写真から伝わってくる。

本当はこの写真の光景以外にもステキな景色が広がっていたのだが、なんといってもここの素晴らしさは空間そのものだから、写真には収められなかった。

興味の出た人にはぜひ行ってみてもらいたい。

こんな場所らしいです。

 

崖に突き出た謎の美しき建物

いよいよ日没が近くなってきた。

これは目的のローソンには到達しないなと思った時、不思議な建物を見つけた。

 

こんなツイートをしてしまったから、ちゃんと何なのか確かめなければツイートを見た人に申し訳ないと思って追跡を開始した。

近そうに見えたのになかなかそれらしきものに遭遇しない。

奥でひっそりゴージャスな暮らしをしている人の民家なのか??

そう思ったが、後になって見えてきた。

これだった。

 

店名はSEA HOUSE。海の家。

きっと焼きそばやビールがうまい店に違いない。

 

野宿最適地を発見!

目的のローソンまであと3キロちょい。

日没はまもなく、あーあ間に合わなかったわ。。

と思ったその時、かなり快適そうなお遍路休憩所を見つけた。

同じ敷地内にはいい感じの老人ホーム。

ここで暮らす老人たちは快適だろうなー。

などと思っていたら、突然ファミマが現れた!

グーグルマップにまだ載ってないやつ。

ら、ラッキーすぎる。

 

快適そうな野宿地とコンビニのコンビ。

野宿地決定!

このファミマで夕食食べて、ブログ書いて、あの快適そうなお遍路休憩所で寝る!

一連の流れが見えて幸せな気分になった僕は、冒頭で紹介した妙なコンビニ飯で一人パーティを開いたのだった。

 

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