裸足ランニングのリアル「怪我」- 今まで2回ケガをしたことがある

裸足で走ったり歩いたりしていると

「ケガしないんですか?」

 

「ガラスとか踏んだら切るんじゃないですか?」

とよく聞かれる。

半分はノーで、半分はイエスだ。

 

実は今までガラスで足の裏を切ったことは一度もない

巨大なガラス片が落ちていたことはないし、小さいガラスなら踏んでも切れない。

足の裏の表面は思っているより丈夫なのだ。

 

しかしケガをしたことはある。

2回とも打撲だった。

 

ベアフットランニングとケガの関係は意外と今まで語られてこなかったように思う。

あくまで僕の経験でしかないが、裸足ランニングのリアルということで皆さんにお伝えしたい。

ベアフットランをはじめた時は内出血がひどかった

裸足ランニングをはじめたのは2013年の秋。

横浜みなとみらいで僕ははじめて裸足になった。

 

みなとみらいの路面はとてもスムースで裸足に優しい。

おかげで痛みを感じることなく5キロほど走り、裸足ランニングデビューを果たせた。

しかし、、

走り終えると足の裏には巨大な内出血が生じていた。

僕はこの内出血を怪我ととらえていない。

まったく痛くなかったからだ。

 

足の表面は衝撃に耐えられても、内部はシューズのために弱くなっていて衝撃に耐えることができなかったのだと思う。

その後何度か走るうちに自然と内出血はしなくなり、今では何の問題もなくフルマラソンだって走れるようになった。

表面は意外と硬くならない。

普通の人よりも少し硬いくらいだ。

1回目のケガ – 点字ブロック

裸足で走りはじめて数ヶ月たったころ、裸足で走ることに慣れた僕はシューズを履いていた頃よりも速く走れるようになっていた。

とにかく足が軽い。くるくるとよく回る。

僕は自信を持った。

気持ちいい!

この心地よさがアダとなった。

 

ちょっとした石を踏んでもカラダが瞬間的に反応する。

そのため路面を確認しながら走る必要もなくなっていた。

下を向かず、海を見ながら走っていた。

 

そんなある日、みなとみらいの象の鼻パークから山下公園に向かう歩道の上で事故は起こった。

点字ブロック

目の見えない人のために道路に添えつけられた黄色いあれだ。

 

たいした障害物に見えなかった。

「踏んでも問題ないだろう」と思って、普通に踏み込んだ。

その瞬間、足の裏に激痛が走った。

痛い!

 

足の裏の中指の付け根のあたりになかなか強くならない部分がある。

骨が少し出っ張っている部分。

そこを強打してしまったのだ。

 

痛すぎてそのあとは全く走れなかった。

トボトボと家まで10キロほどの道を歩いて帰った。

ケガは長引き、その後も何度か走ろうと試みたが、打撲が痛くて走れなかった。

結局完治まで3ヶ月を要した。

せっかく強くなってきていた足の裏もまた弱くなっていた。

これが1回目のケガである。

2回目のケガ – 木の根っこ

奥さんが出産し、育児に追われる日々が続いた2年ほど、裸足から遠ざかっていた。

ふたたび裸足で走り始めたのは去年の秋だった。

ドン底から救ってくれた裸足

その頃、ヤバイほど精神が病んでいた。

それまでに稼いだお金をすべてつぎこんで、1年半かけて作ったゲームアプリが思うように伸びず、サービス終了したのだ。

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貧乏だった14年に終止符が打てると思っていただけにショックだった。

勝手にうまくいくと思い込み、これからは地球を歩き回ろうと思っていた。

しかしそんな希望は泡のように消えた。

 

そんなドン底から裸足が救ってくれた。

裸足で走ることで頭の中のモヤモヤは霧散し、しだいに心の平安を取り戻していった。

裸足コミュニティーとの出会い

いつしか「他の裸足ランナーに会ってみたい」と思うようになっていた。

それまでは1人で裸足で走っていたが、他の裸足ランナーを見たことがなかったからだ。

ちょっと孤独だったのかもしれない。

 

ググってみたが、裸足ランニングの世界はあまり開かれてなかった。

ほとんど情報がない。

唯一あったのは、地域ごとに存在するらしい裸足ランニングクラブの情報であったが、活発な感じではなかった。

とはいえ、とりあえずそれしか情報がない。

品川でベアフットランの練習会があるという情報が載っていたので申し込んだ。

 

当日になった。

たった6・7人のグループによる本当に小さな練習会だったが、気持ちのよい人たちばかりだった。

人間不信気味だった僕の心がパァと華やいだ。

 

練習会が終わり、ランニングステーションで着替えている時、一緒に参加した人の1人がいい情報を教えてくれた。

・facebookに裸足ランニングの非公開グループがあること

 

・皇居で定期的に練習会が開かれていること

 

・6月に開かれるかすみがうらマラソンに日本中の裸足ランナーが集結すること

 

・埼玉県の飯能では裸足ランナー限定のトレイルラン大会があること

 

まずはfacebookグループに参加申請し、近日開かれるという皇居での練習会に参加表明した。

参加してみると、今度は15名ほどの参加者がいた。

みんな素敵な人たちばかりだった。

 

それまで僕が出会ってきたコミュニティーには多かれ少なかれクセのある人がいて、心が曇ることが多かった。

それだけに感動した。

こんな感じのいい人達ばかりの世界もあるんだ!

初マラソンを裸足で完走

彼らの優しいエネルギーに導かれ、僕はその後も裸足で走り続けた。

そして今年の6月にはかすみがうらマラソンで初マラソンを裸足で走りきり、マラソンデビューも果たした。

とんでもなく自信がついた。

裸足でマラソンだって走れる。

なんだってできると思った。

裸足ランニング・アジア選手権 in 飯能

かすみがうらマラソンの後、山の中も裸足で走り始めた。

裸足ランニング愛好者にはトレイルランニングの愛好者が多い。

彼らが山で走ることの魅力について語っていたから、僕もやってみたいと思ったのだ。

 

山の魅力は素晴らしかった。

起伏に富んだ場所で自然を楽しみながら走る。

アスファルトの平坦な路面では感じることのできない新しい開放感があった。

 

山で走り始めてすぐに飯能の大会に参加した。

日本で唯一ベアフットランナーしか参加できないマラソン大会。

当然だが全員ベアフットランナー。

裸足ランナーのユートピアだった。

 

人々の顔は笑顔に溢れ、スタート地点ではアフリカ音楽が奏でられていた。

ケニアからは招待選手や報道関係者が来ていた。

僕はその大会の10キロ部門に参加した。

20キロ部門は10キロ完走の実績が必要だったので、初回の僕はエントリーできなかった。

 

最高に気持ちの良い山道。

走りやすいのもあるが、すれ違う他のランナーとの声の掛け合いが楽しかった。

砂利道を走る時にはみんな痛がっているが、そんな姿に笑みがこぼれ、逆に痛みを楽しむ気持ちさえ生まれた。

僕はまったく痛みを感じることなく走り続けた。

気持ちいい!気持ちいい!気持ちいい!

しかし、そんな恍惚感が僕を油断させた。

アスファルトを走る時と同じように景色を楽しみながら走ってしまった。

山はあまくない

5キロの地点を心地よく走っていたら突然激痛が走った。

!!!

完全に止まった。

しばらく動けない。

やってしまった…。

 

少したったら痛みは和らいできたが、怪我の前と同じような走りはできなかった。

結局痛みをこらえながら10キロを完走。

充実感でいっぱいではあったが、その後しばらくは走れなかった。

 

この時もやはり完全回復まで3週間ほどかかった。

走れない日々はツラかった。

この頃のぼくを支えてくれていたのは裸足だったから。

 

これが2回目のケガである。

 

それからは山はあまく見ちゃいけないと思うようになった。

トレイルを裸足で走る経験の長い人たちは言う。

続けているうちに神経が研ぎ澄まされるようになる。

そうすれば、足元を見なくても体が勝手に危険を察知してくれるようになると。

ぼくはまだその段階ではない。

その段階が来るまでは山では足元を意識して走るべき。

今はそう思っている。



最後に

いかがだったでしょうか。

これがぼくの裸足ランニングで経験した2回のケガです。

まだ裸足で走ったことのない人にとっては、想像していたのとは違う結果だったのではないでしょうか。

 

ガラスや小石といったものは、それほど問題になりません。

最初は気をつけなければいけませんが、気をつけていればまったく問題ないと思います。

 

裸足になることで自然と体が怪我を回避する方法を学んでいきます。

からだの声に耳をすませる

それだけ忘れなければ、裸足ランニングで怪我をすることはないでしょう。

 

裸足に興味が出たのなら

世界のランニングシーンを、ランニングシューズの常識を根本から変えた一冊。

 

裸足にとどまらず、多くのトピックを取り上げている。自分のカラダのポテンシャルを実感したいすべての人に。

 

BORN TO RUNの最初の方で出てくるブロンコ、走る民族・タラマウラ族に「白い馬」と尊敬の念を込めて呼ばれた孤高のランナーのどこまでも純粋な生きざま。ぜひ読んでみてもらいたい一冊。

イカ太郎

ベアフットランデビューに最適な場所、横浜みなとみらいの紹介動画も作ったので見てみてください。
https://youtu.be/J38Zblq_FOE

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