死への旅立ちって旅行みたいだなって思った

このブログでも何回か話に出てきた近所の仲良しのおばあちゃんが緩和ケアの病院に旅立っていきました。

緩和ケアの病院ってホスピスってこと?

ポチャナンダ

人生最後の日々をモルヒネなどで痛みを緩和しながら過ごす病院じゃな

デブッダ

一人暮らしなので時々病院に連れて行ってあげたりしていたのですが、先々月に股関節が痛くて歩けないので病院に連れていったんです。

そしたら股関節の骨にガンが転移してグズグズになっていたんです。

ステージ4でした。

ステージ4って最終ステージってこと?

ポチャナンダ

癌細胞の転移が広がりすぎてて手の施しようがない状態じゃな

デブッダ

僕と病院に行ったとき先生がレントゲンを見て「腫瘍かもしれない…」と言ったのですが、おばあちゃんはあっけらかんとしたものでした。

「ガンかもしれないってことね」

論理的で気の強い女性なので無理に気丈に振る舞っている可能性もあるなと思いましたが、その後の様子からそんなことないなと思いました。

検査から3週間ほど経ってステージ4のガンであると告知されたのですが、抗がん剤治療も放射線治療も望みませんでした。

このままでいいわ

おばあちゃん

それからは毎日

  • 息子さん
  • 娘さん
  • 友達

の誰かが家に泊まり込み、おばあちゃんの面倒をみました。

一人暮らしじゃなくなったんだね

ポチャナンダ

自宅で過ごしたのは1ヶ月半ほどでしたが、会いにいくといつも幸せそうでした。

よかったのお

デブッダ

息子さんなんか会社経営しているのに「今日から半年休む!」と宣言して住み込んだほど。

毎日家をきれいに掃除し、「今日は何が食べたい?」と聞いて3食準備している姿には感動するものがありました。

こういう人だから会社を部下に任せることができるんじゃろうな

デブッダ

家族と過ごし始めたころは本当に元気でステージ4のガン患者とは思えないほどでした。

血色もよく肌もツヤツヤしていて「ガンって衰弱して苦しいものなんじゃないの?」と思っていた僕には驚きでしたね。

でも1ヶ月くらい経ってからは人と喋りすぎると発作的な咳が止まらなくなったりしてぐったり弱ることがあり、少しずつガンは進行しているのだなと思いました。

緩和ケアの病院・ホスピスはなかなか空きが出ないらしく、空きが出たら入りたいと予約をしていたそう。

そして先日ベッドに空きが出たと連絡が入り、入院することになったのです。

こんなに元気なのに終わりの始まりが来るなんて信じられませんでした。

出発する前の日には友達と楽しそうに遺影の写真探しをしていて、

「これ見てよ!私たちが50才くらいだったころ!30年なんてあっという間ね〜!」

などと言ってました。

遺影の写真は決まったの?

ポチャナンダ

今は78才ですけど、50才くらいの時の写真に決めたみたいです。

光り輝いていた時期の写真にしたんだね!

ポチャナンダ

出発を見送る朝、なんて言ったらいいのかわからずにいたらおばあちゃんは「じゃまたね!」と気楽に出ていきました。

ちょっとした旅行に行くようなノリで。

死ぬの怖くないのかな?

ポチャナンダ

僕もその点がすごく興味のあるところで、おじいさん・おばあさんたちの様子を昔からよく観察しています。

その結果思うのは、

  • 年を取ると同年代が亡くなることが増えていく
  • いつかは自分の番がくると自覚する
  • 自然と未練を残さないための心の準備がはじまる
  • 死ぬのはしょうがないよねという気持ちになる

というパターンが多いようです。

うちのおじいちゃんは「向こうでおばあさんが待ってるから」「早く会いたいなぁ」とよく言っていたし、異常なほど健康に気をつけて死から離れようとしていた父も今はいつか来る死を受け入れ始めているように思えます。

そして何人かのお年寄りが言っていたのは「痛いのは嫌だけど」という言葉です。

「痛いのは嫌だけど、死ぬのは覚悟できている」

そういう意味なんじゃないかと思います。

たしかに。死ぬのが怖いというより死の前にあるかもしれない痛みが一番怖いのかもしれないね

ポチャナンダ

おばあちゃんが今回入った病院は緩和ケアの病院。

痛みを感じないようにモルヒネ注射しながら最期を迎える場所。

おばあちゃんも言ってました。

「痛いのは嫌だけど」と。

でもその病院なら痛みは最小限にしてくれるはず。

そういう気持ちがあるからあんなに朗らかに出発したのだと想像しています。

ねぇ、死ぬのって怖いのかな?

ポチャナンダ

僕もその点は非常に興味があって、臨死体験の本などをいくつか読みました。

特に参考になったのはこの人の本。

ブライアンワイス博士の書いた本です。

催眠による過去生退行の描写が多く出てくるのですが、過去生が終わる瞬間の話がたくさん出てきます。

津波で流されたり、刺されて殺されたり、火で焼かれたり…

トラウマの元になっている過去生での出来事に戻るからどうしても悲惨な死に方が多いのですが、死の瞬間はこんな感じで患者が話すことが多いんですよね。

「スッと身体から抜ける」

死の瞬間までは肉体的な苦しみがあるんですが、死んだ瞬間スッと楽になるようなのです。

そして意外にも意識体は残り、その後も意識の体験は続くと。

そう考えると死というのは終わりじゃないわけです。

新しい始まり。

結局経験してみないとわからないけどすごいね

ポチャナンダ

海外旅行に行く時ってドキドキするじゃないですか。

行った先で何が起こるかわからない不安。

でも行ってみると意外と楽しかったりする。

もしかしたら死ってそんな感じなのかもしれません。

知らない世界に行く不安はあるけど、行ってみると結構楽しい場所。

死をやみくもに恐るよりもそう考えているほうが今生きているこの時を楽しく過ごせるなと思いました。

肉体の苦しみのない世界ってどんなものなのか楽しみになるね!

ポチャナンダ

前におばあちゃんと死後の世界のことを話したことあるんです。

「最近こんな本読んでるんですよ」

「死んだあとにも意識が残るみたいですよ」

「人によっては先に死んだ人が迎えにきたりするらしいし、死んだ自分の体を見たり、死んだ自分を囲んでいる人たちが何を言っているか聞けるみたいです」

へぇ〜、そうなの〜

ポチャナンダ

「だからもし〇〇さんが亡くなって僕にアクセスできそうだったら教えてくださいね!」

わかったわ。でももしあなたの方が先だったら私に教えるのよ

ポチャナンダ

そんなやりとりをしました。

この小説知ってます?

映画にもなったよね!

ポチャナンダ

この話は心を病んだ女の子がおばあちゃんの家で暮らす話なんですが、おばあちゃんが「死んだ後なんらかのメッセージを送るからね」と言うんです。

そしてある方法でそのメッセージが届くんですが、とても素敵なメッセージの届き方なんです。

近所のおばあちゃんも何か送ってくれるかな。

そんなことを思いつつ今日の日記を終えたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました!

イカさん

ではまた来週!

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