【バスケットボール】全然うまくならない苦しみの果てにわかったこと

 

最近日曜の夜にバスケをするようになった。

翌日の朝は体がバキバキになる。

起きて階段を降りる時はまるでおじいちゃん。

 

それでも8年ぶりにバスケを再開してよかったなと思う。

仲間と笑いながら体を動かし、終わったらみんなで食卓を囲む時間は最高だ。

 

しかしバスケの再開には問題もある。

「バスケが上手くなりたい」という気持ちも芽生えてしまったことだ。

 

「もっと上手くなりたい」

この気持ちは諸刃の剣だ。

前に進む力になるものの、視野が狭くし、時には焦りを生む。

 

「上手くなりたいという心の乾きに身を委ねてはならない」

 

「休むことの大切さを知ったがいい」

今回は僕がそう思うようになったわけについて話そうと思う。

 

バスケでボロボロになった過去

ヘタクソなのに無謀にもプロになりたいと思った

30代前半、僕は道に迷いまくっていた。

興味のある仕事を次々とやるものの、どれもしっくりこない。

たいてい人間関係がおかしくなってやめた。

 

そんな頃、この漫画を読んだ。

「スラムダンク」を描いた井上雄彦の作品。

バスケをやめ、高校を中退した主人公が社会で上手くいかず孤立し、大好きなバスケに再度挑む話。

 

「本当に好きなことを仕事にしよう」と必死にもがく主人公の姿に心ゆさぶられた。

そして自分の好きなことをもう一度考えた。

好きなことは次の3つだった。

  • 映画
  • 絵を描くこと
  • バスケ

映画はすでに挑戦済みだった。

「役者になりたい」と思って俳優養成所に入ったこともあったし、脚本スクールの体験コースに入ったこともある。

しかし人間関係で揉めたり、脚本を書くことの大変さに圧倒されたりして挫折。

 

絵は絵日記ブログを書いてことがある。

彼女との同棲生活を4コママンガにしてつづる。

友達の一人が熱心に読んでくれていたが、アクセスが伸びず、辛くなってやめた。

 

そんなことがあったので、

「もうバスケくらいしか好きなことがないな」と思いこんでしまった。

「バスケでプロになろう」

ドヘタクソなくせにどういうわけだか信じられないほど無謀な夢を見た。

30歳くらいだった当時の自分がどれほど錯乱状態だったかがよく分かる。

どのくらいヘタクソだったか

高校生の頃は本当にバスケが好きだった。

練習が終わって家に帰るのが夜の9時。

疲れて死んだように眠る。

しかし朝5時に起きて学校に行き、毎日1時間ほど自主的に朝練していたほどだ。

 

しかしチームとは全然馴染めなかった。

先輩・同級生・後輩、ほぼチーム全員とうまくコミュニケーションが取れなかったけど、それでもバスケは好きで3年間続けた。

 

リバウンド以外なんの取り柄もない選手だった。

ずっとベンチウォーマー。

12番目くらいの選手。

試合に出たことはない。

 

引退試合の時、もう負けが決まって初めて出場した。

初めての経験で頭の中が真っ白になった。

わずか3分の間に3つのファール。

最後はディフェンスに突撃しながらランニングシュートし、オフェンスファールをくらってコートをあとにした。

なんとも言えない思い出だ。

社会人チームでバスケをはじめる

まずは地元の社会人バスケチームを見つけて入った。

ベテランプレーヤーばかりで年齢層が高かったけど、それなりにうまい人がいるチームだった。

現役高校生もたまに来た。

そのうちの一人は高校の全国大会で優勝し、現在はプロとして活躍している。

 

週に一度そこへ行き練習した。

練習のない日はジムでトレーニングしたり、外を走ったり、公園のコートで練習した。

高校生の時にあった体の自在感は取り戻せなかったが、チームで勝つという感覚を初めて知った。

試合にも何回か出してもらった。

自分が活躍しなくても、自分の役割をこなし、チームが機能すれば勝てることを知った。

 

当たり前だが社会人チーム内の3流選手でしかも30代の人間がプロバスケットボール選手になるなんて現実的ではなかった。

最初は「プロになる」と思っていたが、分かりきっていた現実に直面して途方にくれていた。

しかしこれまであらゆることに挫折していた。

どれも中途半端で逃げ出していた。

だから「今度こそ最後までやりきりたい」と思っていた。

「もうこれ以上、自分をダメな人間だと思いたくない」

ボロボロになってやめた

ホテルのバイトをしながら空いてる時間はすべてバスケの練習に費やしたが、結局最後は体がNGを出した。

運動のしすぎで足の裏、かかと、ヒザに慢性的な痛みを抱えるようになった。

日常的に痛むので、歩くのもキツい。

 

しかし痛みを我慢しながら練習した。

体が温まってくると痛みが引く。

さっきまで歩くのもキツかったのに動けるようになる。

しかし日に日に症状はひどくなり、ウォームアップしても痛みが引かない状態になった。

そうしてバスケはやめた。

再び挫折感を無力感を味わった。





断食の思わぬ効果

バスケをやめ体がボロボロだった頃、「人は食べなくても生きられる」という本に出会った。

この本にものすごく感動してしまい、試してみたくなった僕は食べない生活をはじめた。

21日間、ほぼ固形物を口にしない。

この時のことは別の記事で書いてあるので興味のある人は見てみてほしい。

合わせて読みたい

僕と不食との出会い – 2度にわたる不食実験でわかったこと

 

最後は「このままでは死ぬ…」そんな状態になって終わったのだけど、思わぬ副産物があった。

バスケでボロボロだった身体が、絶食後みるみる修復されていったのだ。

ガイコツのように痩せこけていた僕の体は、食べ始めたらあっという間に元に戻り、驚いたことに足裏や膝の痛みが跡形もなくなくなってしまった。

断食の可能性を知った出来事だった。

休むからこそ上手くなる

高校生の頃、バルセロナオリンピックがあった。

今でも語り継がれる伝説のチームがアメリカ代表として出場した。

それまでアメリカ代表としてプロ選手がオリンピックに出ることは禁じられていた。

しかしオリンピックで優勝できなくなったアメリカはそのルールを変えたのだ。

バスケットボールの神様、マイケルジョーダンが唯一参加したドリームチームだった。

参考:wikipedia「プロ選手出場が解禁されるまで」

 

ドリームチームを編成しようとした時、当然ジョーダンにも声がかかった。

ところが他のスター選手たちが出場要請に応じる中、ジョーダンは出場を拒否し続けた。

 

「リラックスする時間が取れるかどうか、それが重要なことなんだ」

そう言って譲らない。

※この動画の中にジョーダンが「リラックスする時間が持てるかどうかが重要なことなんだ」と語っているシーンがあります(36分あたり)

初めてそのシーンを見た時、印象的だと思ったものの、その言葉の真意はよく分からなかった。

しかし自分がバスケを通して体がボロボロになり、プレーできないような状態を経験したことで、ジョーダンの言葉の意味がはっきり分かった。

練習し、休むことで体が強くなるし、体を動かさない時に自分のプレーについて考えることでうまくなるのだ。

体を動かすことだけがバスケを上達させる要素ではない。

がんばることは尊いかもしれないが、必ずしも正しい手段とは限らない

高速道路を時速100km以上で走り、高速から降りた時、信じられないほど時間がスローになる。

脳の処理速度が異常に早くなっているから、普通の運転スピードでは処理能力が余ってしまうために起こる現象だ。

 

運転に疲れてサービスエリアに入り、車を止めて外に出た時、高速になっている脳のためか、疲労感と同時に多くの情報が入ってくる。

自然と呼吸は深くなり、心地よさでつい笑顔になってしまう。

食事も妙に美味しく感じる。

一緒にいる人たちの笑顔が輝いて見える。

そうしてリラックスしていると、いいアイデアが生まれることもある。

 

ずっと頑張ることはいいことだと思っていた。

でも物事には自然の摂理があり、それに反していたらどんなに頑張っても結果は出ない。

 

がんばりすぎていると思ったら休もう。

がんばることは尊いかもしれないが、必ずしも正しい手段とは限らない。