ゴリラと呼ばれた女 – ショックを力に変える生き方

 

1. ゴリラと言われた女

「ゴリラじゃなくなるその日まで」というブログがある。

通称「脱ゴリ宣言」

僕のいるコワーキングスペース、「まるも」の住民の女の子が書いている。

通称、マルちゃん。

 

僕はこのブログが大好きだ。

ある日、妹にこう言われたという。

 

「ちょ、待ってwお姉ちゃん後ろから見たらシルバーバックゴリラやんw」

 

シルバーバックゴリラというのはこういうゴリラのことである。

(参照:https://jp.freepik.com/

マウンテンゴリラの群れを束ねるオス。

その背中が銀色に輝いているように見えることからシルバーバックと呼ばれる。

 

あくまで想像でしかないが、彼女の背中にはたぶん毛は生えてない。

それなのに彼女の後ろ姿はシルバーバックゴリラに似ていると言われた。

ということは、きっとその時、彼女の妹の目には姉の後ろ姿の形(シェイプ)がシルバーバックゴリラと重なったのだろう。

その時の出来事は衝撃のデビュー作に詳しく書いてあるので読んで欲しい。

「ゴリラじゃなくなるその日まで。ダイエットはじめます。」




 

僕は彼女の姿勢を美しいと思った

僕は彼女のことを知っている。

まだ会ってから1ヶ月ちょいしか経ってないけど。

その上でこの記事を読んだ。

面白いと思ったが、それ以上に心を打たれてしまった。

彼女の強さに。

 

あくまでも想像でしかないけど、

「お姉ちゃん後ろから見たらシルバーバックゴリラやんw」

って言われたら、普通の女の子だったらショックを受けると思う。

ショックすぎて、最初は何を言われているのか分からないんじゃないだろうか?

彼女も一応それなりにはびっくりしたようだ。

ブログの中ではこう書いてある。

私は一瞬、何の話かと耳を疑った。

 

なにそれ、シルバーバック?uh huh

ゴリラ?uh huh

 

でも、彼女はそれをネタにした。

ブログ名さえも変えた。

ずっと続けて来たブログの名前を突然変えた。

「ゴリラじゃなくなるその日まで。」に。

 

サブタイトルを見て欲しい。

「素敵な奥さんになる」をモットーに花嫁修業中。

である。

これがまた笑いを誘うのだけど、決意の強さを感じた。

その姿勢に美しささえ感じた。

 

 

2. その時彼女の中で何が起こったのか?

実は最初の出来事でしかなかった妹の発言

妹に言われた時のことを彼女はこう書いている。

はあ?

と思ったけど(というか言ったけど。)

 

とりあえず、いったんこの件は飲み込んでおくことにした。

 

妹もそこまでバカではない。これ以上言ったら姉のゴリラパンチが飛んでくると悟ったのだろう。

それ以降はゴリラと呼ばれることもなく、平穏無事に半年過ごしてきた。

 

彼女はどんな感情を飲み込んだのだろう?

怒りなのか、悲しみなのか。

どんな気持ちだったかはブログには書かれていない。

 

ゴリラパンチが飛ぶ寸前だったことは書いてある。

ということはやっぱり怒りなんだろう。

 

ダメ押し

妹のゴリラ発言はブログ名を変えることはなかった。

半年間、妹に言われたことは無視。

気にせず風化していた。

 

そんな彼女を再びゴリラ発言が襲う。

そんなある日、シェアハウスでバナナを美味しく食べていたときのことだ。

 

「まるおか氏、ゴリラやんww」

 

どこかの誰かがそう言ったのだ。間違いなくゴリラと言った。私は忘れない。

 

・・・・・。

uh huh ?

 

犯人はこいつ。

通称・まるじさん。(http://marujikan.com/

 

すげーこと言う男がいるもんだ。

僕にはとても言えない。

でもこういうセリフを言えるか言えないかが「モテるかモテないか」を左右している気もする。

それだけにちょっと悔しい。

 

このままだとまるじさんがただの悪者になってしまうので、彼のことを紹介させて欲しい。

正直、この人めちゃくちゃいい人だ。

まるもでメチャクチャ愛されてる。

さすらいの料理人。

酒や料理への情熱は半端ではない。

そして「料理を人に美味しく食べてもらいたい」という情熱も半端ではなく、その姿に僕はずっと感動してきた。

 

まるもという「フリーランスとして生きていこう」と決めた多くの若者が集まる場所で、時には30人前の料理を作る。

料理を作る彼の目線は真剣そのものだ。

シェアハウスでも一緒に住むみんなのためにご飯を作る。

とびきり美味しい料理でみんなの笑顔を引き出す。

 

「料理が人を幸せにする」

彼の食事を食べるみんなの顔を見ていると、そんな風に思う。

 

そんな彼はみんなに愛されている。

マルちゃんにも愛されていると思う。

彼の大胆な発言はそんな信用という土台の上に載ったちょっとしたアクセントなのだ。

相手との間に強い信頼関係がなければあんな発言はできない。

 

とはいえ彼は言った。

「まるおか氏、ゴリラやんww」

この一言が風化していた妹のゴリラ発言にリアリティを与えた。

 

数日して、マルちゃんのブログ名は突然変わり、あの伝説とも言える名文が生まれたのだ。

「ゴリラじゃなくなるその日まで。ダイエットはじめます。」

 

3.ショックを笑いに変えることで得られるもの

人に言われたことで傷ついてしまう人がいる。

「人によく見られたい」

「大切に扱って欲しい」

自分の中にそんな求める気持ちがある限り、傷つくことからは逃げられない。

 

「人にどう見られたっていいや」「人にどんな風に扱われてもいいや」って開き直って求める気持ちをなくせば傷つくことはなくなるのだけど、そんな簡単にいくものでもない。

特に過去の経験から生まれたトラウマのような深い傷は時間をかけないと癒すのは難しい。

 

傷つくことは仕方がない。

求める気持ちやトラウマを完全に除去できたらそれに越したことはないけど、そう簡単なことではないのだから、そういった思いを否定するのではなく、認めてあげた方がラクに生きられる。

「今はそこにいていいよ。でもいつかはバイバイしようね」と思っている方がいい。

 

マルちゃんはショックを力に変えた。

自分の経験を人を幸せにするために使った。

 

辛い過去、苦い過去を笑い飛ばす。

この姿勢があれば傷つくことを恐れずに生きていける、そう思った。

 




 

4. 終わりに

昨日の夜、まるもに有名なブロガーさんが来た。

今日はヒトデ祭りだぞ!|主に勢いに任せた雑記

通称・ヒトデさん

彼と彼の彼女を囲んでまるものみんなで夕食会をしたんだけど、

(この時14人分の料理を作ってくれたのはマルちゃんでした)

マルちゃんの「脱ゴリ宣言」の話で持ちきりだった。

おかげでゲストを囲む夕食は笑いの絶えない楽しいものとなった。

これもひとえにゴリラ呼ばわりされるというなんとも言えない経験をマルちゃんが記事にし、腫れ物ではなく、みんなで触ってもいいものとしたからだ。

 

彼女のしたことは普通の女性にはできないと思う。

彼女は良い意味で普通じゃない。

こんな女性はそうそういるもんじゃない。

でも僕はそんな普通じゃない彼女を見てこう思う。

こういう女性こそ本当にいい女なのだと。

だからこう思う。

「世の男たちよ、マルちゃんを彼女にするなら今のうちだぞ」と。

 

 

これほど魅力的な女の子だから、近いうちに彼氏ができるだろう。

きっとその男は真の意味でいい男に違いない。

僕は勝手にそう確信している。

 

最後に、ゴリラパンチを食らうことを覚悟の上で言いたいことがある。

姉をゴリラ呼ばわりした妹さん、ありがとう。

君がいなかったらあの素晴らしい記事が生まれることはなかった。

まるじさんがゴリラパンチを食らって一件落着していたはずだ。

そうならなかったのは、君がトスをあげ、まるじさんがアタックを打ったからだ。

そしてまるじさんがアタックしたボールはマルちゃんの顔面にヒットした。

君とまるじさんの連携プレーに感謝しつつ、このブログを閉めたいと思う。

 

おわり。