自分で作ったアプリを炎上させてしまったからこそ分かったユーザーの心理

 

 

イカ太郎

こんにちは、イカ太郎です

 

誰でも気軽に情報発信できるようになってから「炎上」という言葉が一般的になりました。

 

YouTube動画・ツイート・ブログ記事。

炎上といえば、そういうメディアを想像すると思います。

 

でも

「アプリが炎上」って聞いたことあります?

あんまり聞いたことないんじゃないでしょうか?

 

まだ炎上という言葉が一般的じゃなかった6年ほど前に、僕は自分で作ったアプリを炎上させたことがあります。

 

次々と届く批判の声。

自分のちょっとした思いつきが多くの人を怒らせてしまい、

足が震えるほどの恐怖を感じたことを覚えています。

 

今日は

・どうしてアプリが炎上してしまったのか?

 

・炎上したからこそ分かったアプリ利用者の気持ち

そんなことをお話したいと思います。

 

自分の作品を世に出している皆さんが僕のような失敗をせずに済みますように!

 

アプリが炎上するまで

僕は東関東大震災のあった2011年にアプリ開発をはじめました。

地震によって日本から外国人が脱出してしまった結果、その頃やっていたバイトが2つともなくなってしまったのです。

 

仕事もお金もなく途方にくれていた僕に友達がある冊子をくれました。

ハローワークの職業訓練の紹介冊子。

「10万円もらいながら、勉強ができるらしいよ」

そんな風に言われて見つけた講座、それが「iPhoneアプリ開発コース」だったのです。

 

たまたま当たってしまった2作目のアプリ

35才からのプログラミング学習だったので、理解するのが大変でした。

「でも仕事もお金もないからこの道を行くしかない」

そう思っていたので必死で勉強。

 

半年後1本目のアプリをリリースすることができました。

英語圏の人たちが日本語を学ぶためのアプリ。

その頃米軍基地内でやっていたボランティアの日本語教室、その教材として作ったものでした。

 

利用者はほとんどいませんでしたが、ダウンロード報告を見ると世界中で少しずつ利用されていることが判明しました。

自分の作ったものが世界中で利用される可能性がある

そんなアプリのポテンシャルを感じ、もっとやってみたいと思いました。

 

そんなある日、「岐阜県でアプリ開発者養成コースをやっている」という話が僕の耳に入りました。

そして応募。

そこでゲームの作り方を学びます。

 

1ヶ月の合宿内で課題として作ったのが「色の心理を学ぶためのゲーム」。

リリースはしなかったのですが、せっかく作ったので

「こんなの作ったよ!」

と友達に配布したところこんな連絡が入りました。

 

「イカちゃんの作ったあの色のゲーム、やってると過呼吸が収まるの。作ってくれてありがとう!」

彼女はその頃長年飼っていたペットの犬を亡くしていて、ペットロス症候群による過呼吸にたびたびなっていたらしいのです。

 

その話を聞いて思いました。

「それならこのゲームを呼吸専用アプリにしてリリースするよ!」

 

そうしてできたのがこのアプリです。

イロ呼吸 ~深呼吸でストレスを軽くする魔法のアプリ~
ヘルスケア/フィットネス¥120iOSユニバーサル

 

リリース当時はこんなトップ画面だった

 

リリースしてしばらくたったある日、ダウンロード報告がスゴイ数になっていました。

原因を調べてみたところ、メディア掲載されていたことが判明。

当時最強のアプリ紹介メディアだったAppBankでフィーチャーされていたのです。

 

その後アプリはランキングを駆け上がり、

一番良い時で健康アプリ6位、アプリ全体127位というところまで行きました。

 

「こんなことが起こりうるのか・・・!!」

信じられない思いと興奮で手の震えが止まらなかったのを覚えています。

 

当たったのに稼げない

まさかそんなにダウンロードされると思っていなかったので、収益を生む方法など何も考えていませんでした。

でもアプリ開発仲間から「広告貼ったほうがいい!」と言われたので貼ってみました。

 

すると、

「癒やしたいと思ったのに広告がジャマで深呼吸に集中できない!」

というユーザーレビューが何回か入ります。

 

「癒やされるアプリを作ったのに、広告が台無しにしてしまったら意味がない」

そう思って広告は外しました。

 

しかしその頃はアプリ開発に多くの時間を費やしていたため、バイトもほとんどやってない。

それなのにリリースしたアプリからはお金が入らない。

おかげで生活がカツカツでした。

 

「せめて月に1万でもアプリから稼ぎたい!」

そう思って取った行動はアプリの有料化でした。

1ダウンロード100円。

 

結果月に2〜3万円の収益が入るようになりました。

でも全然生活費はまかなえません。

 

困った挙げ句取ったある行動

1つの作品で当たったなら、次の作品を作って収益を積み重ねていく。

これが個人アプリ開発の王道でした。

 

しかし僕はたまたま当たってしまっただけなので、次の作品のアイデアが全然ありません。

作りたいものなど何もない。

なので、唯一当たったアプリの収益を拡大するため、ダウンロードを伸ばせないか考えました。

 

そして思ったこと。

「要は目立てばいいんじゃないか?」

 

「目立つにはどうしたらいいんだろう?」

考えた結果思いついたアイデアがアプリ名の変更でした。

 

 

それまでは「イロ呼吸」というシンプルな名前でした。

 

それをこんな風に変えたのです。

 

「イラッとしたらイロ呼吸」

 

「イライラした時に色の力を使って呼吸で癒やして欲しい」

そんな思いを込めて作ったアプリだったのでこんな名前にしたのです。

 

 

ダウンロードはまったく伸びませんでした。

 

「ふぅ〜、ダメかぁ。。」

ガッカリした僕でしたが、それでも諦めきれませんでした。

 

そして思いついたのがこの名前。

 

 

 

「ムラっとしたらイロ呼吸」

 

もうただただダウンロード数が伸びて欲しいがため、目立ってほしいがために付けた名前でした。

 

「さすがにこれなら目立つだろう!

 

押し寄せる批判の声

ドキドキしながらダウンロード報告を翌日見てみると、、、

数値が激減。

ランキングも大幅に下がっていました。

 

さらにレビューの星★の数も激減。

4.8で高かったはずの総合評価が3.0程度になっていたのです。

 

次々と怒りのレビューコメントが入ってきました。

 

「友達にオススメしようとしてストアに行ったらふざけた名前になっていて恥かいた!ふざけるな!

これが初期に入ってきたコメントで一番印象に残っています。

 

慌てて名前を元に戻しましたが怒りのコメントは止まりません。

 

僕のツイッターアカウントを特定し、バカ丸出しのツイートを列挙するコメントも現れました。

「このアプリはこんなふざけた人間が作っている」

 

「二度と開発者として活動できないようにしてやる!」

そんな凄みを感じるコメントもありました。

 

・たった一つしかない自分の収益源がなくなる恐怖

 

・怒りに震えたユーザーが僕の素性を特定してくるという恐怖

 

・この先何が起こるか想像もできない恐怖

はじめて炎上というものの怖さを知った瞬間でした。

 

炎上から学んだこと

炎上した当初はとにかく恐ろしさが先に立ってしまい、ユーザーの気持ちを考える余裕はありませんでした。

とにかく逃げ出したい。

安心できる場所に隠れていたい。

 

しかし怖い人が現れることもなく、怒りのコメントも落ち着いた数週間が過ぎた頃、ようやくユーザーの気持ちを考える余裕が出てきました。

この出来事はなんだったのか?と。

 

次々と届いた僕を非難するレビュー欄をもう一度見るのは怖かったですが、意を決して見てみました。

すると文字の裏からユーザーのある感情が見えてきたのです。

 

アプリを好きだった

 

好きだったからこそ人に紹介していた

 

そういう気持ちをこの開発者は踏みにじった

 

だからこそ許せないと思った

 

「アプリを好きでいてくれたからこそ僕のふざけた行動に怒りを感じたのか…」

 

それが分かった時、怖くて逃げ出したいと思っていた自分の態度を恥ずかしく思いました。

申し訳ない…

 

 

「ユーザーの怒りの裏には愛着や善意、そして期待がある」

これが僕が炎上から学んだことでした。

 

終わりに

僕は子供の頃から悪ふざけをするところがある人間でした。

日焼けをして痛がる友人の背中をあえて叩いたりするような嫌なやつ

おかげで嫌われて周りから人が去っていく、、そんなことが学生の時からよくありました。

 

人から嫌われることはショックでしたが、相手の心の痛みが分かっていなかったから何度も同じことを繰り返していたのです。

 

ところがこの炎上が起こってから、僕は軽はずみな言動をしなくなりました。

心の底から人の気持を踏みにじることがどういうことなのか理解できたのだと思います。

 

とても怖い経験だったし、ユーザーの皆さんに申し訳ないことをしたと反省していますが、

あの炎上が経験できてよかったなとも感じています。

モノづくりに対して真摯な姿勢で取り組めるようになったから。

 

人の心を踏みにじったから全面的に肯定することはできません。

でもあの失敗は良いことだったと思うのです。

 

人は時に過ちを犯すもの。

人間だからミスは仕方がない。

ミスをしたら謝る。

過ちから学ぶ。

そして未来に向かって今を歩いていく。

 

失敗を恐れるのではなく、失敗から学び、生かしていく姿勢

これこそ自分の作品を世に出していく人間のあるべき姿なのでしょう。