渋谷の街で路上生活者の愛の深さに触れた – ヤマさんとキャプテン

 

おととい出会った路上生活者のおっちゃんとお兄さんの2人と、昨日も朝の時間を一緒に過ごした。

ヤマさんとキャプテン

43歳にして路上生活キャリア20年ヤマさん(ドイツ人とのハーフ、超おしゃれ)と、

キャリア17年、精霊のような姿と微笑み通称・キャプテン(沖縄出身。年齢不明。60歳くらいにみえる)。

 

最底辺委員会というyoutubeのチャンネルでヤマさんもキャプテンも取材を受けている。

(右にいる白髪ヒゲモジャのおっちゃんがキャプテン)

 

ただいるだけ、笑い合うだけでエネルギーが膨らんでいく

何か特別なことを話すわけじゃない。

3人でただただ笑いあってる。

エネルギーの輪の中に入れてもらって、その場にたたずんでいるだけ。

すると3人のエネルギーが循環して穏やかに膨らんでいく

驚くほどのエネルギーに包まれ、幸せでいっぱいになる。

公園の木の下で3人で座り、ただ笑いあっているだけ、思いつくままの言葉を交わし合うだけでこんなにもエネルギーが高まるのか。

 

路上生活者より貧しい人たち

ヤマさん(若い方)が前日よりもしおらしかった。

どうやら寝ている間に財布を盗まれたらしい。

「2000円入ってたんだよー。イタイよ〜」と笑ってた。

 

「そういうことってよくあるの?」と聞くと「よくある」と言う。

「路上生活者からお金を盗るやつって結構いるんだよ」

「盗るのって同じ路上生活者なの?」と聞くと、

「違う。普通のやつら」

路上生活者よりもはるかに貧しい人たちが世の中にはいるのだなと思った。

見た目は普通でも、心は激貧。

 

引き寄せの法則?

キャプテン(ヒゲモジャ)が「今日はお酒が飲めないよー」と言うので買ってあげることにした。

「何がいい?」

と聞くと、「宝焼酎の25%のやつ」とキャプテン。

「でっかいやつ?」

「いや、ちっちゃいやつ。赤い蓋のついた175円のやつ」

「いいの?でっかいやつの方がたくさん飲めるよ?」

と言うと、ヤマさんが

「ダメだ。飲みすぎたらダメになる」

と手を横に振った。

 

ヤマさんと一緒に近くのファミマに買いに行った。

行く途中でヤマさんがウエストバッグをゴソゴソしてサングラスを取り出した。

「これ、あげるよ」

「え?いいよ。大切なものでしょ?」

「いいんだ。キャプテンにお酒買ってくれるんだから。そのお礼♪」

「でも俺サングラスつける習慣ないし、いいよ」

「カチューシャにすればいいんだよ♪」

 

実は髪が伸びてきて、前髪がちょっとうっとおしくなっていた。

湯シャン(シャンプーは使わず、お湯だけでケアする)にしてから頭皮から出る余分な脂が出なくなった。

髪が長くてもギトギトにならず、いつでもしっとりサラサラになった。

髪が固くていつでも寝ぐせが立つのが悩みだった僕は、湯シャンにし、髪を伸ばすことで髪のケアから解放された。

が、時折吹く風によって前髪が乱れて目の前を塞ぐのがちょっとうっとおしくて、どうしようかなーと思っていたのだ。

ヘアバンドは熱いし、圧迫感がイヤだし、カチューシャはちょっとフェミニンすぎる。

サングラスというアイデアはなかった。

しかしつけてみるととても良い具合。

髪をしっかりと抑えてくれる。

フェミニンではなく、むしろワイルドだ。

 

ありがたくいただくことにした。

ちょうど欲しいと思っていたものが手に入り、引き寄せの法則ってこれのことかな?と頭をよぎった。

 

ヤマさんの裸足デビュー

ファミマに到着して店に入った。

「あ、これこれ!」

本当に小さな焼酎のボトルだった。

「ヤマさんはどうする?」

「えっ!いいの!?」

自分は買ってもらわないつもりだったらしい。

でもめちゃ嬉しそうだ。

「うーん、どうしようかなー。悩むなー」

結局鬼殺しというパックの日本酒をチョイスした。

合わせて350円なり。

 

店を出たら、ヤマさんがおもむろに道ばたに座った。

??

見ていたら靴を脱ぎ、くつ下を脱いだ。

「いかちゃんが裸足だからどんな感覚なのかなーと思って」

行動が早い!

気になったらすぐに実行。

路上生活の成功者はやはり行動力が違う。

 

数日前、ツイッターのフォロワーさんから裸足デビューしたよというメンションが届いた。

嬉しいなと思いつつ、返答した。

裸足で外を歩くのにお金はいらない。

心がまっすぐになれる。

体の緊張も取れる。

気になったなら、1分でもいいから試してみること。

そういう姿勢が人生を切り開いていく気がする。

 

「うわっ!ヤベェ!」

裸足になったヤマさんが言った。

「超気持ちいい…」

僕:「…..。」

「ウヒョーーーーーーーーー!!!」

早朝の渋谷の街でヤマさんが吠えた。

「いかちゃんこれ最高だよ!なんで今までこんな簡単なことに気づかなかったんだ!」

 

今日もまた一人、僕は脱がせた。

裸足界の篠山紀信。

 

与えるということ

公園に戻り、キャプテンに焼酎を渡した。

ニコニコしている。

こっちも嬉しくなった。

 

僕には奥さんと娘がいることや、キャプテンには36歳になる息子がいることなど、とりとめもないことを話した。

するとヤマさんがまたウエストポーチをゴソゴソやりだした。

「これ、奥さんに」

手渡されたのはプラセンタだった。

出産時に摂れる胎盤から抽出する若返りの美容液

超高価な代物。

「これ、水に溶かして美容液として塗ると肌が気持ちよくなるんだ」

と言ってペットボトルの水の中にワンプッシュ入れた。

「こうやって使うんだよ」

ヤマさんが自分の手にその液を乗せ、パシャパシャっと顔と髪につけた。

 

ヤマさんは43歳だが、とてもそんな風には見えない。

目の輝きと迫力は40代のものだが、肌の若々しさは20代と言ってもいい。

ライフスタイルが老化させないのもあるだろうが、もしかしたらプラセンタにも秘密があるのかもしれない(笑)。

 

「いやぁ、さすがにこれはもらえない」

「いや、いいんだよ」

「いや、だって俺すでにコレもらったもん」とサングラスを見せる僕。

「もらっときな」とキャプテンが言った。

遠慮できる空気じゃなくなった。

そっと手を伸ばし受け取った。

ヤマさんの笑顔が眩しい。

 

豊かさとは

なんなんだ、この人たちの豊かさは。。。。

そう思った。

正直何も持ってないじゃないか。

何も持ってないのに、持っているものはどんどん人に与える。

自分にないもの、必要はものはもらう。

食べ物はコンビニからいただき、タバコは人からいただき、酒も誰かからいただく。

いただくことが多いから与えることも増えたのかな。

それとも与えることが多いから頂くことができるようになったのかな。

 

困った時はお互いさま。

 

そんな言葉が頭に浮かんだ。

与えることが自分にとってのセーフティネットになる。

助け合いの社会。

路上生活者の暮らしにはそんな側面があるのだと思った。

みんなで生きていくのだ。

 

人間としてのピュアな暖かさに触れて、心の中がぐちゃぐちゃになった。

ヤマさんとキャプテンに心を動かされた。

 

地球に住む

ヤマさんはホントただ者じゃなくて、渋谷を拠点にする聖者だ。

17年前、家がなくて困っていたキャプテンを路上生活者として導いたのもヤマさんだったらしい。

「俺は地球を家にしている。だからホームレスっていう呼び方はおかしいんだ。ホームは地球なんだ。」

この言葉が印象的だった。

彼のような聖人には路上生活者というより路上生活の成功者の方がいいのかもしれない。

間違いない。彼は人生の成功者だ。

 

フローな時間を漂い続ける

30分ほど過ごして、いつもの通りバイバイした。

僕は彼らの作り出すフローな空間を去った。

彼らは一日中あのフローな時間を漂い続ける。

「いかちゃん!またね!」

振り返るとキラキラした目のヤマちゃんが全身で手を振っていた。

ぼくも笑顔で振り返した。

 

前を向いた僕はスーパーサイヤ人にでもなった気分だった。

 

朝の渋谷を裸足で歩くその足にエネルギーがみなぎっていた。

 

 

 

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