イノシシを解体してきたらえらいことになったのでレポートします

イノシシ解体記事アイキャッチ

 

イカ太郎

こんにちは、イカ太郎です

 

イノシシの解体をしてきました。

お遍路の途中、徳島で地元のおじいさんに泊めてもらい、夜な夜なイノシシのことを聞いてから約半年。

ずっとやってみたかったイノシシの解体がついに実現!

千葉県富津市にあるコワーキングスペースまるもで開催されていた田舎フリーランス養成講座のイノシシ解体ワークショップに参加させてもらったのです。

イノシシ解体ワークショップ

この辺👇

それでははじまりはじまり〜♪

 

 

1. イノシシ解体ワークショップ

ワークショップは海から車で15分ほど山の中に入った場所でやりました。

地元のハンターさんのご自宅。

イノシシハンターさんの家

静かでいいところ。

徳島や高知の山の中と変わらない、日本の田舎の景色。

 

ハンターの神谷さん

今回イノシシ解体のレクチャーをしてくれたのは、この道40年の神谷さんです。

イノシシハンター神谷さん

 

本当に穏やかな方でした。

ハンターなのに荒ぶることもない。

とても謙虚に自分の知っていることを教えてくれました。

イノシシの解体方法だけではなく、地元で行われているイノシシ猟のことも。

 

2. イノシシは害獣?

 

イノシシが増えすぎてる

お遍路をしていた時、徳島にいた時も高知にいた時も、山に暮らす人たちから聞きました。

「イノシシが増えすぎてる」と。

本来なら狩猟をできる期間は限られていて、11月から2月までの解禁期間以外は狩猟をしちゃいけないのですが、イノシシ被害の多い地域では行政がイノシシの狩猟を一年を通して認めているそうです。

 

イノシシ被害

イノシシは農作物を荒らすことで有名。

土を掘り起こす能力がハンパじゃなくて、イノシシが荒らした後の畑は「農家さんが耕したのかな?」と思うほど。

12月、もともと田んぼだった場所を畑にするワークショップにも参加したんですが、その時もイノシシの堀った跡があって、かなり広範囲にやられてました。

イノシシが掘り起こした跡

関連:一度水田にしてしまった土地を畑に戻すことのタイヘンさを痛感した開墾作業体験

 

田んぼだった地面は粘土質でカッチカチ

鋤を使っても耕すのが大変なのに、イノシシはいとも簡単に掘り起こしてしまうのです。

基本的なパワーがケタ違いです。

 

イノシシのパワー

イノシシ猟師さんたちから話を聞くと、そのパワーとスピードに驚かされます。

  • 時速40kmで走る(レース用の自転車を一生懸命こいで到達できるレベル)
  • ワナにかかってしまった時、ワイヤーにかかった自分の足を引きちぎって逃げる
  • あんなに丸々と太ってるのに、1メートルもある壁をジャンプで飛び越える

らしい….。

ブタだと思って舐めてたらえらいことになりますね。

 

イノシシがどれだけ危険かについてはこのサイトがとても面白かったので見てみてください。

→【危険生物】野生化した豚が猪に変化!? プロが教える暴走イノシシの知られざる真実と、驚くべき能力とは

 

イノシシ肉はうつ病に効く薬?

そんなイノシシの生命力の強さゆえか、イノシシの肉はうつ病に効くらしいです。

徳島にいた猟師のおじいちゃんからその話を聞いたときにはびっくりしたんですが、ググってみたらイノシシ肉を食べてうつ病が改善したという話もありました。

→鬱病には、イノシシ肉を

 

解体の後、イノシシ肉がたっぷり入ったカレーをいただいたんですが、その後僕の身体に異変が起こりました。

この話がこの記事のタイトルになっている「えらいことになった」のです。

イノシシ肉のカレー

エラいことにつながったカレー

 

3. イノシシ猟について

イノシシ猟はライフルを使うタイプとワナを使うタイプの2種類があるのですが、レクチャーしてくれた神谷さんは銃も罠も両方やる人。

色々面白い話を聞かせてもらいました。

 

狩猟免許による許可が必要

銃を扱うので当たり前ですが、イノシシを捕獲するためには国家免許が必要です。

銃を使わないワナ猟の場合も同様に要免許。

県が狩猟免許試験を年に数回実施しているので、それにクリアすれば狩猟ができるそうです。

 

ライフルの値段

神谷さんは今まで2丁ライフルを買ったことがあるそうです。

20〜30万円のもの。

 

しかし、ハンター仲間には100万円もする銃を持っている人もいるそう。

それを聞いて、

「えぇ!銃ってそんなに高いの!?」

と驚いた僕に神谷さんは言いました。

200万円もする銃だってあるよ」

 

調べてみたら、一般的な猟銃のラインナップはこんな感じでした。

20〜30万が相場。

100万円以上の銃というのは特別なものみたいですね。

→銃砲火薬店 ライフルショップ栄興 猟銃・ライフル銃

猟銃のラインナップ

 

眼球さえ動かせない!?

グループで狩りをするとき10人から20人でやるそうです。

  1. イノシシの通り道の周りをぐるっと取り囲む
  2. 木に寄りかかって全員待機
  3. 全員が配置についたらイノシシの通り道に猟犬を放つ
  4. するとイノシシのいる場所の近くで猟犬が吠え始める
  5. イノシシが逃げる

これを捉えるのです。

 

木に寄りかかったまま動くことが許されない。

体はおろか、眼球さえも動かせないらしいです。

眼の周辺視野の中でイノシシの姿を探す。

眼が動いたらイノシシが走り始めてしまい、そうなるとライフルで捉えるのはほぼ不可能なのだとか。

 

動かない。

これができないために1年経っても一頭も取れない人もいるそうです。

ハンターの道は険しい…。

 

犬はイノシシの耳が好き

神谷さんがイノシシ狩りの写真を色々見せてくれたんですが、気になったことがありました。

イノシシの写真を見せる神谷さん

捕らえられたイノシシの耳に木の枝と葉っぱが刺さってるのです(写真撮り忘れちゃいました)。

なぜなのか聞いてみると、犬が食べちゃうらしいのです。

鉄砲で撃たれて倒れたイノシシの耳を犬は食べる。

犬の大好物なんですね、イノシシの耳は。

 

写真に残すとき、見た目を美しくするために耳に葉っぱを刺す。

これって千葉の習慣なんですかね?

全国でもやられてるのかな?

知ってる人いたら教えてください。

 

4. イノシシを解体する

徳島でイノシシ猟師のおじいちゃんちに泊めてもらったとき、イノシシを解体する動画を色々見ました。

こういうのとか。

 

今回ワークショップに参加するに当たって内臓取り出しからやると思っていたんですが、

到着したときには、イノシシの内臓を取り出され、お腹の中はキレイに洗浄されていました。

手を汚す気満々だったので、拍子抜けしましたが、初めての経験としてはちょうど良かったと思います。

 

今回やったのは皮むきと肉を分ける作業。

ちょうど同じ工程を紹介した動画もあったので、興味のある人は見てみてください。

 

神妙な顔でイノシシの死体を見つめる参加者たち

実はイノシシを見たのは初めてでした。

徳島で見たのは切り分けられ、スーパーに売っている豚肉のような状態で冷凍されたもの。

 

初めてイノシシを見てみて、不思議な気持ちになりました。

普段生き物の死に直面することはほとんどないからだと思います。

車に轢かれた犬や猫を見たときに感じる感情に似たものを感じました。

死は死。

人も動物も変わらない。

イノシシを見つめるみんなの顔が印象的でした。

絶妙な距離を保つ参加者たち

 

命をいただくという感情は自然に湧いてきた

神谷さんに教えてもらいながら、皮を剥ぎ始めました。

最初はおっかなびっくり。

でも、イノシシの死体に向かい合うと不思議なもので「命をいただく」という気持ちが自然と湧いてきました。

遊び感覚でやるわけにはいかない。

イノシシの皮を剥ぐ作業をやっていたら、自然と真剣になっていきました。

イノシシを解体するイカ太郎

 

5. イノシシ肉の味

解体終了後、神谷さんの奥さんが作ってくれたカレーをいただきました。

イノシシカレーを食べる前の参加者たち

 

イノシシ肉って美味しいの?

僕は初めてイノシシ肉を食べた時から、イノシシ肉に夢中です。

なぜかというと激ウマだから。

イノシシ肉は言うなれば超ウマイ豚肉です。

 

野生動物の肉はフランス料理ではジビエと呼ばれ、最近は日本でも高級食材として流行りつつあります。

 

でも生臭いんじゃないの?って思っている人も多いはず。

 

結論から言うと、イノシシを仕留めた後、血抜きがうまくできるかどうかで味は変わるみたいです。

だから「美味しくなかった」という声も聞く反面、「メチャクチャ美味しかった!」という声を聞くこともあるのです。

もしジビエをいただくことがあって、「美味しくない」と思うことがあったとしても、そのたった1回の経験だけで「ジビエは美味しくない」と判断するのは早計かもしれませんよ。

イノシシカレーをいただきます!

 

美味しいイノシシの条件

神谷さんの仕留めた写真に巨大なイノシシの写真があったので疑問が湧きました。

「でっかいイノシシって美味いの?」

神谷さんに質問したら、美味しいイノシシの条件を教えてくれたので共有しますね。

 

30kg以下の若いメス。

これが結論だそうです。

肉が柔らかくて味もいいらしい。

 

今回解体させてもらったイノシシの1体はまさにそれでした。

戻ってから自分たちで解体した肉をいただいたんですが、柔らかくて最高でした。

脂身が猛烈に多いんですけど、個人的にはその脂が最高でしたね。

カレーにすると肉の脂が一瞬で溶ける!

ぜひ皆さんにも食べてみてもらいたいです。

イノシシ肉のカレー

やばいっすよ、これ

 

6. ワークショップ終了後、僕の身に起こったこと

ワークショップを終えて、コワーキングスペースで作業していたら、体の異変を感じました。

体が火照る。

本当にどうしようもなく体がポッポするんです。

体の中で何かが起こってる。

 

参加者の他の女の子にも同じ感覚を味わっている人がいました。

「興奮してなかなか眠れない」と。

 

数時間その状態が続いた後、猛烈な倦怠感が襲ってきました。

起きていられない…。

夜7時に限界が来て布団に入りました。

すると今度は目が回る。

お酒を飲み過ぎた時に部屋全体がぐるぐる回るような感覚になることってありませんか?

ぐぁぁぁ〜!って。

あの感じです。

 

この日は夜9時半からテキサスホールデムという本格的なポーカーをやる予定だったので、2時間ほど寝てなんとか布団からはい出たんですけど、

疲労感がスゴすぎてゲームどころじゃない。

1時間ほどで負けたので抜けさせてもらいました。

 

これまでに経験したことがないような疲労感でした。

でも翌日には完全に疲労感は抜け、元気になってました。

 

いやぁ、あれは一体なんだったんでしょう?

イノシシの呪い??

 

初めて命と向き合ったことによる代償なのかなぁ?と今は思っています。

 

7. さいごに

 

というわけで、半日かけてこんな経験をしました。

以下は僕がこの経験を通して思ったことです。

 

骨や筋肉の構造は人間もイノシシも同じ

僕は今後もイノシシの解体をやりたいと思っているので、真剣に師匠のやり方を観察しました。

ナイフをどんな風にどこに入れるのかしっかり観察して「よしいける!」と思ったらチャレンジ。

しかし、師匠と同じようにどうしてもできない。

 

ナイフの扱い方が下手なのもあると思うけど、筋肉と骨のイメージができてないことが大きいかなと思いました。

実際にお腹を開いて骨ごとに肉を分けていくと、人間とイノシシ、基本的には骨も筋肉も構成は同じでした。

しかし形が違う。

人間だったら体を見ればどこに骨があってどんな風に筋肉がついているか外からでも見えるけど、イノシシだと見えない。

イノシシの内部が分かるようになったら解体はどんどん面白くなっていくだろうなと思いました。

 

イノシシ肉は人を笑顔にする

イノシシ肉はメチャクチャ美味しいです。

知ってる人は欲しくてたまらない。

許可を取った業者以外は販売できないから、基本的に「人にプレゼントする」という形をとります。

 

しかし肉にするためにはイノシシを狩り、皮を剥ぎ、解体しなきゃいけない。

その大変なプロセスを経てイノシシ肉というプレゼントは完成するのです。

 

笑顔でイノシシを解体し、説明する神谷さんを見て、「尊いことだな」と思いました。

そして参加者たちが美味しそうにイノシシカレーを食べる笑顔を見て、「僕もこんな笑顔を作りたいな」と思いました。

まだ全行程を一人でできないけど、これから何度もイノシシの解体をやって、こんな笑顔を作れる人になりたいなと思います。

イノシシ後の笑顔1

イノシシ後の笑顔2

イノシシ後の笑顔3

 

【写真提供】みすけ @mizunote_net