【家庭と仕事と金】絶望的にうまくいかなかった引越し後の2ヶ月のこと

 

 

人生生きていて何が苦しいかって、余裕がない時ほど苦しいことはない

仕事に追われ、

金もなく、

本当は人のことを思いやりたいのに思いやれない

 

こうなってくると人とのコミュニケーションにも支障が出てくる

話もちゃんと聞けないから、普段だったら人との交流の中から得られたプラスのエネルギーも享受できない

家族で千葉に引っ越した先月から昨日まで僕はそんな状態だった

 

いっぱいいっぱいな日々

 

2ヶ月前の5月1日、僕は家族で千葉県富津市金谷に引っ越した

どうして金谷に引っ越したかといえば、すばらしいフリーランスコミュニティが存在していたからだ

コミュニティの中心にはまるもというフリーランスの作業場(コワーキングスペース)があり、

50人ほどのフリーランスの若者がシェアハウス8か所で共同生活をしている

 

どうしてそんなにフリーランスの若者が集まるようになったかというと、

田舎フリーランス養成講座という1ヶ月の泊まり込み合宿が年に数回開催されているから

そのコースに参加した人達がこの場所を気に入り、どんどん移住しているのだ

 

念願の金谷への引っ越し

僕も去年の8月、週末フリーランス養成講座という週末2日間のコースに参加し、この空間の不思議な魅力に取り憑かれた

11月からは自宅のある横浜と金谷の間を行ったり来たりする生活を続けていた

 

「娘といっしょにいたい!」

「でも金谷にも行きたい!」

そんな思いの板挟みが続いていたが、3ヶ月経った時「近くのアパートに空室が出た」という連絡を受け、アパート内の内見もできないのに即物件を押さえた

 

横浜という都会から、千葉県の南房総という田舎への引っ越しだったが、奥さんは同意してくれた

「ひとりで2才の娘の面倒を見るより、田舎であっても家族三人が近くで暮らせるほうがマシ」

奥さんにとっては喜んでの移住ではなかったが、僕の希望はかなった

「これで家族と暮らしながら、大好きな金谷のコミュニティも思う存分楽しめる!」

 

未来は順風満帆なはずだった

 

奥さんのストレス

奥さんと娘にとって金谷は新しい土地だった

歩いて数分で海に行くことができ、小さいながらもビーチがあり、家のすぐ裏には有名な登山スポットがある自然豊かな素晴らしい場所なのだが、

奥さんにとっては問題のある環境だった

 

・車がないと買い物が不便

・フリーマーケット巡りができない

・築き上げた人間関係がリセットされる

 

集落には小さなスーパーが1つあるだけなので横浜にいた時のような買い物ができない

僕の収入のせいもあって、奥さんは食費を削る買い物術を身につけたのだけど、ここではそれが通用しない

車があれば品揃え豊富なスーパーや業務スーパーに行けるけど、我が家には車はないし、奥さんはペーパードライバーなので運転できない

これが1つ目のストレスとなった

 

2つ目の問題は大好きなフリーマーケットに行けなくなったこと

横浜では週末各地でフリーマーケットが開催されているので、奥さんは楽しみにしていた

お店で買えば5千円・1万円するような服や子供のおもちゃが100円・200円で買える場所

それがフリーマーケットだった

フリーマーケットは苦しい我が家の家計にとってありがたい場所だっただけでなく、奥さんにとってはストレス解消の場でもあった

 

3つ目の問題は築き上げた地元の友人関係がリセットされたこと

娘が1歳になるころ、僕らは横浜の中心地から横浜の郊外の住宅地に引っ越した

奥さんは持ち前のガッツと愛され力で2年かけて地域の中で心地よく過ごせる友人グループを作り上げた

しかし金谷に引っ越すこととなり、リセットされることとなった

引っ越し前には娘のお別れ会が開かれ、引越し当日には近所の奥さんや子どもたちがたくさん集まった

金谷という新しい土地で娘を連れて歩き回り、奥さんは再び新しい人間関係を作ろうとしている

 

生活資金が尽きた

去年の夏、僕はアプリプログラマーをやめ、「裸足ブロガーになる!」と言って半年やってきたが、全然稼げなかった

四国お遍路とフィリピンで裸足の旅をしながらブログを書いていたけど継続できない未来が見えたので、プログラミングの知識を生かしてサイト制作で稼ごうと思い、金谷に来た

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サイト制作の勉強途中ではあったが、これまでの経験を買ってもらい、田舎フリーランス養成講座の講師もスタートした

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ブロガーになってからの9ヶ月、貯金を切り崩していたのだが、引っ越しによって貯金は底をついた

残高10万円

最初の家賃を払ったら5万円になった

 

仕事に追われて余裕がない

田舎フリーランス養成講座の収入以外は何もなかったので、ヤバイと思ってSNSとブログで仕事を募集した

知人がサイト制作の仕事をくれた

・田舎フリーランス養成講座の講師
・サイト制作の仕事2件

を掛け持ちでやることになった

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田舎フリーランス養成講座の講師という仕事は、フリーランスを志す人達の人生を左右するような仕事

ガチだ

手を抜けない

時間だけでなく、脳力をフル活用する

正直これだけで手一杯だった

 

しかしサイト制作の仕事もあった

 

1つは大手出版社サイトのリニューアル

関わる人が多く、使っているプラットフォームも独特なものだったので、なかなか慣れなかった

 

2つ目はこれから立ち上げるITサービスのPRページの作成

初めてのデザイン込みの仕事

デザインも分からなかったが、サイト構成も分からなかったのでググって学びはじめた

 

いい仕事をしたいと思って余計な力が入っていた

3つの仕事とも慣れていないので余裕がなかった

ここに家庭の問題が乗っかることになる

 

悪くなっていく夫婦関係

慣れない環境での新生活、朝と晩しか帰ってこない仕事で余裕のない旦那、一日中離れない3歳の娘

奥さんの顔は冴えなかった

不満を持っているように見えてしまう

 

・稼げない
・家族の時間が取れない
・娘の面倒をずっと見てもらっている

 

後ろめたい気持ちが夫婦間の距離を広げた

どんな言葉をかけたらいいのか分からない

 

「こんな冷え切った家庭に意味はあるのだろうか?」と思った

娘とは一緒にいたい

でも奥さんが怖いから家には帰りたくない

 

帰宅恐怖症のサラリーマンのオジサンの気持ちがわかった気がした

どんなにストレスのかかる仕事でも、家庭の状況が悪くなったときの逃げ場になるのだと思った

 

 

 

裸足旅に出た

 

6月の初め、田舎フリーランス養成講座が終わった

サイト制作の仕事も少し落ち着き、

混沌としていた状況を抜け出しつつあった

 

時間に余裕は出てきたが、僕の気持ちは晴れなかった

冷え切った家庭の雰囲気は全然変わらなかったからだ

 

「やらなければいけない」とずっと思っていた裸足の旅ができていなかったことも大きかった

「やりたいことをやれ!」

頂いた仕事やお金からそんなメッセージを感じていた

「彼らのためにも裸足旅に出なければ!」

 

しかし今の経済状態では出られない

冷え切った家庭状態で長く家を空けることもできない

 

そんなジレンマを抱えつつ、サイト制作の仕事をやっていた時、このツイートを見た

 

 

裸足旅のチャンスだと思った

お遍路や海外旅のように日数もかからない

 

 

32kmという歩く距離も妥当だった

現代人が1日に歩けるギリギリの距離、それが30km

お遍路で四国巡礼をする人の目安にもなっている距離

 

あとは泊まる場所だ

横浜に住んでいた時には家があったから自宅に帰ればよかったけど、千葉に引っ越した今は泊まる場所がない

目的地のバーIPSILONのオーナー・ジロちゃんがシェアハウスをやっているので「泊めて!」とお願いしたら「オケす!」と返事が来た

 

「やれる!」

半年以上ぶりの裸足旅が決まった

 

 

動画配信しながらの旅

さっそく裸足旅の告知をするアイキャッチ画像を作った

polcaで裸足旅の支援をお願いした時にアイキャッチ画像の大切さを痛感したからだ

去年の夏、房総半島を3日かけて横断した時の写真をそのままペタッと貼り付けただけのアイキャッチ画像だった

 

polcaでアイキャッチの代わりにした写真

 

ただただ汚い。。。

これでは支援も集まらなくても仕方がない

 

【関連】

【polca支援のお願い】安西先生、裸足で旅がしたいです…

 

今回の裸足旅はpolca支援をお願いするわけではなかったが、動画配信をしてみようと思っていたのでアイキャッチをちゃんと作った

 

そして当日、裸足で家を出た

 

出発

金谷で東京湾フェリーに乗り、反対側の横須賀へ

午前7時、歩きはじめた

 

 

雨が降ったりしていたが気持ちは自由を感じていた

 

家庭からも仕事場からも物理的に離れ、

「裸足で歩く」というシンプルな行動のみに集中することでモヤモヤが晴れていったのだと思う

 

 

歩くうちに俯瞰することができた

最初の15kmくらいは足の裏が痛くなることもなく、順調に歩けた

しかし雨が上がり、お昼前から晴天になったことで路面温度が上がり、足の裏が痛くなってきた

 

 

痛みと向き合うと人は内省しはじめる

自然と引っ越ししてからの日々を思い返していた

 

奥さんは僕の仕事に興味がない

興味がないので「好きにすれば」という感じ

 

僕の人間関係にも興味がない

僕は友人や仕事仲間と仲良くなってほしいと思うのだが、むしろ敬遠する

 

趣味も違う

裸足・断食・瞑想・バスケ・海外・英語が好きな僕

料理・食事・読書・フリーマーケットが好きな奥さん

共通の趣味というものがない

 

共通の趣味があり、友人関係も共有されていて、お互いの仕事をサポートしあえる関係

僕の中での理想としていたそんな夫婦の姿は、

僕ら夫婦とは大きくかけ離れていた

 

「求めて叶わなければ苦しくなる」

それが分かっていたから「理想とのズレはただの人間的な違いであってどうしようもない現実」だと考えてきたが、受け入れきれていない自分が見えてきた

不満があるから感謝する気持ちになれなかったのだ

 

しかし断食しながら裸足で歩き、痛みと向き合うことで視点が変わってきた

 

「僕のわがままに彼女はすでに十分付き合ってくれている」

 

・千葉の田舎への引っ越しに同意してくれた

・収入がないことを理解し、貧しい暮らしでもより心地よく暮らすためにどうしたらいいか考えてくれている

・僕の仕事が忙しいことを理解し、不満を口にすることなく娘の面倒を一人でずっと見てくれている

 

「これ以上何を求めようとしているのだ、イカ太郎よ」

そんな声が聞こえるようだった

 

自分の未熟さが恥ずかしくなった

そして奥さんに謝罪と感謝のメッセージを送った

返事は辛辣だったが、僕は「ごめん」「そうだね」と同意した

 

目的地に到着

朝7時に歩きはじめて約10時間後、横浜桜木町に到着した

歩数:55566
距離:40km
消費カロリー:3300kcal

 

足の裏が痛かったが最後までやり通せて嬉しかった

そして何より、素直な心を取り戻せた感覚が嬉しかった

裸足旅をやってよかったと思った

 

 

久しぶりに人との交流からプラスのエネルギーをもらい、本来の自分に戻れた

 

 

裸足旅の充実感も手伝って、久しぶりに心から笑うことができた

仕事場と家庭のある金谷から物理的に離れたことで心がほぐれやすくなっていたのだと思う

 

初めて会う人との会話も楽しかった

新しい出会いを心から楽しめた

新鮮な出会いの感覚が僕には必要なのだと知った

 

自分の得意なこともわかった

人と話していると相手のニーズが分かることがある

 

「これからこんなことやろうと思ってるんだよね〜」とか

「今こんな問題にあたってるんだよね…」とかいう話だ

 

僕が直接なんとかしてあげられることは少ないんだけど、自分の知っている人が解決できることが多い

 

自分のことはよく分からない

客観的に自分の能力を見るのは難しい

 

でも僕には特技があって、出会った人の天才性を発見するのがうまい

人の中に天才性を見つけた時、宝物を発見したようで嬉しくなるのだ

 

人との会話の中で見つけたニーズが、自分の知っている人の隠れた天才性と結びついた時、繋げたくて仕方なくなる

この日の夜もそんな夜だった

 

シェアハウスオーナーが新しい物件選びで迷ってた

少し家賃は高くなるけどきれいな作りの都内の物件か、

ボロ屋だけど家賃がかなり安くできる神奈川県内の物件か

 

「ボロ屋もきれいにできればいいんじゃない?」と思った

 

決してきれいではない空間を素敵空間に変える能力のある女の子を紹介した

すぐに彼はツイッターで連絡していた

仕事に繋がりそうな予感だ

 

 

状況がよくなってきた

裸足旅を終え、2日ぶりに家に帰った

家を出る前日、僕は奥さんに暴言を吐いており、その雰囲気が残っているのではないか?と思ってドキドキしていたが、

「おかえり」と迎えてくれた

 

奥さんへのマッサージ

翌日の朝になっても家庭内はなごやかだった

彼女が変わったのだろうか?

それとも僕が変わったのだろうか?

 

たぶん僕が変わったのだろうと思う

ここ2ヶ月顔面に貼り付いていた仮面のような感覚がなくなっていた

 

「左肩が凝って痛くて仕方がない」

子育てが始まってからずっと彼女が言い続けている言葉がこの朝も出てきた

 

「マッサージしようか?」

いつもたいていは断られる

彼女はマッサージを受けるのが大好きなはずなのに、関係がピリピリしていると触れられることさえ嫌なのだ

 

でもこの日は違った

「お願い」と言って、寝っ転がった

畳に直接うつ伏せになる痛いから、布団を敷いて30分ほど全身マッサージした

 

「さいちゃんもやる〜!」と言って3歳なりに手伝う娘がかわいかった

 

夫婦の初の共通の趣味誕生の予感

横浜に住んでいた時は魚や肉が安く帰る商店街があったが、金谷にはない

漁師町なのに、魚が高い

「こうなったら釣るしかない」

引っ越して少し経った時、奥さんがそう言った

 

釣り?

 

釣具を買い揃える余裕もなかったが、僕が子供の頃、学生の頃に使っていた釣具が実家にあることを思い出したので、先月実家に帰った時に持ち帰った

20〜30年経ったものだったが使えそうだった

 

釣具を持ち帰ったものの、いっぱいいっぱいだったのでずっと釣りに行く気持ちの余裕がなかったが、ようやく動く気になってきた

釣りの動画を見はじめたら、奥さんも興味を示してきて一緒に見た

 

「もしかしてこれは夫婦初の共通の趣味になるのでは?」

そう思ったら嬉しくなった

釣りなら子供も楽しめる

 

楽しんで食費の助けにもなる

僕らはそんな素晴らしい趣味を手に入れるかもしれない

 

 

この2ヶ月で学んだこと

 

明日も食えないような状況の人や、苦しすぎて死にたいほどの人からしたら遊びのような僕の2ヶ月だったが、ここ1年感じたことがないほど悩んだ日々だった

でもうまくいかないにはうまくいかない理由があって、うまくいかない時というのは「どう振る舞ったらいいのかを学ぶことのできる素晴らしい機会」でもある

僕はこの2ヶ月で何を学んだのだろう?

 

新しいことづくしの苦しみ

「新しいこと・慣れないことを一気にやりすぎたこと」

これが今回の失敗要因だと思う

 

焦りがあったのだろう

「なんとかなる」と思っていても何も行動しなければ何も起こらない

「窮地から脱出するために何かしなければ」と思っていた

 

だから仕事をツイッター&ブログで募集したり(やったことない)、

polcaで支援をお願いしたりした(やったことない)

 

その結果、家族が引っ越しで慣れない時に、まだ慣れてはいない田舎フリーランス養成講座の講師をし、やはりやったことないPRサイトの作成をスタートすることとなった

 

新しいことをはじめた時に緊張するのはある程度仕方ないこと

時間が経てば慣れる

だから緊張することを否定する必要もない

 

とはいえ、同時にいくつも新しいことを始めるのは良くないなと思った

新しいことを始める時には、「本当に今の状況で始めていいのか?」そう考える必要があると思った

余裕がないのなら、やめておいたほうがいい

焦りは禁物だ

がむしゃらに動いてもただ単に深みにはまることもある

 

俯瞰できる時間を持つ

「日常から離れる時間を意識的に作ること」

これが大切だと思った

 

アプリ制作でいっぱいいっぱいだった頃は、週に一度温泉施設に行くようにしていた

電車で片道1時間半かけて奥さんの実家へ行き、娘を預けて奥さんと2人でさらに30分かけて行っていた

 

温泉に入ると我に帰ることが多かった

お湯に浸かることで自然と身体に意識が向かうからだろう

身体に意識が向かえば、ごちゃごちゃした思考も沈静化する

 

裸足旅も足の裏に意識が向くので、温泉と同じ効果がある

 

方法は何でもいい

「自宅や仕事場から離れ、身体に意識を移動させる」

これが自分を俯瞰する基本的なノウハウなのだと思う

 

とりあえず毎週水曜日に家族でお風呂に行くスケジュールを追加した

 

 

おわりに

濃い2ヶ月だった

金銭的な状況は変わってないけど、仕事・家庭の問題は落ち着きつつある

 

「なんとかしないと!」と思っていたけど、家庭の状況が悪くなってみて思うのは、

「なんとかしないと!」と思って余裕を失うくらいならそんなこと考えないほうがいいということだ

 

僕が金銭的に恵まれないのは、奥さんと付き合いはじめた12年前から変わらないこと

奥さんも僕が稼ぐ能力に長けてないことは分かっているし、受け容れてくれている

 

奥さんにとって一番大切なのは娘の笑顔なのだ

稼ぐ能力がないことは仕方ない

稼ぐのが下手でも笑うことはできる

ダメ男なりの方法で家族を幸せにしたい